2026.08.07

業務マニュアルと復旧手順書は書く項目がどう違うのか。事業継続計画の見直しで足す内容を解説

2026.08.07
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業務マニュアルと復旧手順書は、記載されている項目が違います。平常時の業務マニュアルが正常な条件での作業の順序を示すのに対し、復旧手順書は優先して再開する業務、目標復旧時間、使えなくなった資源の代替手段を示します。

2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震のあと、熊本県内の工場では操業の停止が相次ぎました。事業継続計画の見直しに合わせて手順書へ何を書いておくのかを、デジタルマニュアルの制作を手がける大寳たいほう製版株式会社が中小企業庁の指針をもとに解説します。

事業継続計画とは何か?

中小企業庁が公開している中小企業BCP策定運用指針によると、事業継続計画とは、緊急事態に遭遇した企業が中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能にするために取り決めておく計画です。事業資産の損害を最小限にとどめながら事業を続けることが目的です。

事業継続計画は英語の頭文字からBCP(Business Continuity Plan)とも呼ばれ、これは平常時に進めておく中核事業の把握や代替策の準備から、緊急時の発動基準と指揮を執る体制までを取り決めます。

被災した現場では、計画そのものではなく復旧手順書を読みます。復旧手順書とは、被災などで平常の手順が使えない状況で、事業を再開するまでに誰が何をするのかを書いた文書です。

業務マニュアルの方は、設備も人員もそろった正常な条件のもとで、作業の順序と判断の基準を示す文書です。停電で設備が動かない、担当者が出社できないといった条件は想定の外にあり、被災した現場で開いてもどこから再開すればよいのかは読み取れません。

熊本地震のあとに論点となった事業継続計画の記載範囲と更新の頻度

2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震では、熊本県内の半導体工場が相次いで操業を止めました。日経クロステックが2026年7月30日に報じた記事によると、ソニーとルネサスの工場は再開の見通しが立たない状態にありました。

自社の工場が無事でも、部品が届かなければ生産は止まってしまいます。日経ビジネスが2026年7月31日に報じたディスコの事例によると、同社は3次取引先まで把握している点が特徴です。取引先をどこまでたどって書いておくかによって、計画の記載範囲が変わります。

計画に書く内容は、書いた時点の取引関係や組織の形を前提にしたものです。中小企業庁の指針では、組織体制や取引先に大きな変更があったときや、中核事業が変わったときに計画を更新するとされています。

取引先の担当者が代わっただけでも、緊急時の連絡先は古いままです。更新の頻度をあらかじめ決めておけば、見直しの作業を担当者の記憶に頼らず回せます。

業務マニュアルの手順と、復旧手順書に足す項目はどう違うのか?

業務マニュアルとの違いは、書き足す項目の種類にあります。復旧手順書には、優先して再開する業務、目標復旧時間、使えなくなった資源の代替手段が加わります。

優先して再開する業務と目標復旧時間を先に決める

中小企業庁の指針では、失うと会社の経営に甚大な影響を与える事業を中核事業として選び出すとされています。売上への寄与、納期の約束、法的な責務、市場での評判が判断の材料です。

複数の製品ラインを持つ工場であれば、どのラインから優先して復旧に取り掛かるのかを手順書に明記します。中核事業は経営者が決めるため、手順書に必要なのは決まった結果と担当だけです。

中核事業が決まったら、目標復旧時間の検討に移ります。目標復旧時間とは、中核事業を復旧させるまでの期限の目安として定める時間です。指針では、取引先が待てる限界と、自社の資金が耐えられる期間の両方から見当を付けるとされています。

決めた時間内に戻せない災害も起こるため、遅れが見えた時点で誰が取引先へ連絡するのかまで書いておけば、連絡担当者は判断を待たずに次の対応へ移れます。

使えなくなる資源ごとに代替の手段を書き分ける

資源の単位ごとに分けて、代替の手段を手順書に明記します。中小企業庁の指針は、設備、仕入品の調達先、電気やガスや水道、情報の複製というように、資源ごとの代替を検討する内容です。

設備が使えない場合と、材料が届かない場合とでは、連絡する相手も、動かす順序も変わります。資源をまとめて代替策と書いてしまうと、緊急時に読んだ人がどこを先に見ればよいのか判断できなくなってしまう点に注意が必要です。

たとえば設備であれば、保守を委託している業者への連絡先と代替機の手配手順を書きます。材料であれば、連絡先は仕入先の担当窓口になり、手配手順も発注のやり直しへと変わるという違いです。資源ごとに連絡先と手配手順を分けて書いておけば、現場の担当者は資源の種類を見た時点で動き出せます。

経験の浅い作業者が読む前提では、略称を外して作業の対象を図で示す

復旧の場面では、普段その作業を担当していない社員が手順書を参照します。応援に来た他部署の社員や、配属されたばかりの作業者が読む前提であれば、社内でしか通じない略称を正式な名称に書き換えておく必要があります。

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文字だけで場所を伝えると、読み手は自分の記憶を頼りに探すほかありません。バルブや配電盤の位置を写真や図で示しておけば、初めてその設備に触れる人でも対象を取り違えずに操作できます。

大寳製版株式会社が製造業のお客様向けにデジタルマニュアルを制作したときも、作業工程をアニメーションで示し、注意点はポップアップで表示する形を採りました。言語や経験を問わず内容を追える構成にするためです。

現場で使うマニュアルの制作は大寳製版株式会社へご相談ください

大寳製版株式会社は、1967年の設立から学習参考図書の制作で50年以上の実績を積み重ねてきた教材制作会社です。製造業のお客様向けのデジタルマニュアル制作も手がけており、新人教育や外国人教育の場面で使う内容を扱ってきました。

社内の機器マニュアルをデジタル化したサンプルでは、動画と3Dモデルとポップアップを組み合わせ、紙よりも手順を追いやすい形にまとめました。マニュアルC2070から実物をご覧いただけます。

2026年現在、事業継続計画の見直しに合わせて現場向けの手順書を整えたいご担当者様は、大寳製版株式会社へお気軽にご相談ください。紙とデジタルのどちらで用意するのかを含めて、お問い合わせいただけます。

よくある質問

Q. 事業継続計画(BCP)とは何ですか?
A. 緊急事態に遭遇した企業が、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能にするために、平常時に行う活動や緊急時の手段を取り決めておく計画です。中小企業庁が中小企業BCP策定運用指針で示しています。
Q. 業務マニュアルと復旧手順書は何が違いますか?
A. 業務マニュアルは設備も人員もそろった正常な条件での作業の順序を示します。復旧手順書は、平常の手順が使えない状況で事業を再開するまでの行動を示します。前提にしている条件が違います。
Q. 復旧手順書には何を書けばよいですか?
A. 優先して再開する業務と、その業務の目標復旧時間が軸になります。あわせて、使えなくなった資源ごとの代替手段と、緊急時の連絡先を書いておきます。
Q. 中核事業はどう選べばよいですか?
A. 中小企業庁の指針では、失うと会社の経営に甚大な影響を与える事業を選び出すとされています。売上への寄与、納期の約束、法的な責務、市場での評判が判断の材料になります。
Q. 目標復旧時間はどう決めますか?
A. 中小企業庁の指針では、取引先から許容される事業停止時間と、自社の資金が耐えられる期間の両方を考えるとされています。取引先との話し合いを通して確かめる部分が含まれます。
Q. 代替手段はどの単位で書きますか?
A. 設備、仕入品の調達先、電気やガスや水道、情報の複製というように、使えなくなる資源ごとに書き分けます。まとめて書くと、緊急時にどこを先に見ればよいのかが読み取れません。
Q. 復旧手順書は業務マニュアルと1冊にまとめてよいですか?
A. 中小企業庁の指針に、文書の分け方までは示されていません。まとめる場合でも、平常時の手順と復旧時の手順が見分けられる形にしておくと、緊急時に探す手間を減らせます。
Q. 手順書はどのくらいの頻度で見直しますか?
A. 中小企業庁の指針では、組織体制や取引先に大きな変更があった場合、中核事業が変わった場合に更新するとされています。更新の頻度をあらかじめ決めて計画の基本方針に書いておく方法が示されています。

まとめ

業務マニュアルと復旧手順書の違いは、正常な条件を前提にするかどうかにあります。復旧手順書に足りない項目は、優先して再開する業務とその目標復旧時間、そして資源ごとの代替手段です。

読む人が普段の担当者とは限らない前提に立てば、略称を外して図を添える手間も、緊急時に迷わず動くための材料になります。現場で使う文書の制作は、大寳製版株式会社へご相談ください。

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※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。

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