仕事においても、普段の生活においても「人とコミュニケーションをとる」ことは常に必要になってきますよね!
今回は「人に何かを伝える」ことがいかに難しく、そしてその難しさが企業にもたらすコストやリスクについて、ビジネスシーンを中心に考えてみたいと思っています。
伝え手と受け手の「視点のズレ」
仕事の現場では、上司が部下に、営業部が顧客に、技術者が設計部門に…と、さまざまな立場間で情報をやり取りします。それぞれが置かれた文脈や経験は大きく異なり、同じ言葉を共有しているはずでも、受け止め方はまったく異なることがしばしば起こります。
たとえば、技術者が「このモーターはW数が足りない」と伝えたとき、同じ言葉でも設計部門は「もっと大容量に変更すべき」と受け取り、購買部門は「コストダウンが難しくなる」と焦り、営業は「納期遅延の懸念」と受け止めるかもしれません。「同じ言葉なのに、受け手によって意味が変わる」——これが最初の大きなハードルです。
「雰囲気で」ということ
「雰囲気で進める」っていう事、ありませんか?
- マニュアルや手順書として明文化された部分が「形式知」
- それ以外の“勘どころ”や“場の空気”としてしか伝わらない部分が暗黙知
後者は言葉にするのが難しく、所謂属人化する傾向にあると考えています。
知っている人にしか分からないってこと、結構ありませんか?
「この作業ってどうすればいいですか??」
「いや、それは○○さんしかやってなかったから、○○さんに聞いてみて!」
「それが○○さん今日休みなんですよ・・・」
「え!?マジか・・・」
のあれです!
暗黙知を形式知に変えるには、時間と工夫が必要です。単に文章を追加するだけでなく、なぜその手順が必要なのか、どんな失敗例があったのか、実際の映像や図解を交えて見せるなど、感覚や背景を補足する設計が求められます。
コミュニケーションのノイズ
人から人へ情報を伝えるとき、必ず「ノイズ」が混ざります。言葉の選び方、話し手のトーン、資料の見やすさ、受け手の心身状態…あらゆる要素が「伝わり方」に影響を与えます。リモート会議やチャットツールの普及で一見便利になったように見えても、実際には「自分のタイミングで読める」反面、「即座に補足説明ができない」もどかしさが生まれ、ノイズはむしろ増えているケースもあります。
見えないコストの正体
人が動く限り、そこに給料や経費が発生するべきです。上記の様な課題の累積には人件費という「コスト」そのものが掛かっているのではないかと考えています。
例えば、
- 時間の浪費:同じ説明を何度も繰り返す、理解不足で行き詰まる
- 品質リスク:手順の誤解から不良品やトラブルが発生
- 機会損失:営業資料が伝わらず、商談が進まない
- 人材育成の遅れ:新人が正式な手順以外を独自に解釈し、後戻りが増える
いずれも金額にすぐ換算しづらい「見えないコスト」ですが、累積すると大きな影響を及ぼします。
伝え方の工夫と限界
社内の取り組みとしては、研修動画の作成、グループウェアやWikiへの情報集約、オンライン会議でのライブデモなどが一般的です。これらを組み合わせることである程度の効果はありますが、手間や更新工数は増える一方で、肝心の「誰がいつどこまで見たか」を追跡するのは難しいものです。
じゃあどうすればいいのか?
便利な時代ですので、私たちも「まずは資料をスライドでまとめてみよう」「グループウェアにマニュアルをアップしておこう」「NotionやWikiで情報を整備しよう」といった施策を繰り返してきました!でも実際に運用してみると――
- スライドは研修に合わせて作ると膨大な量になり、更新も追いつかない
- グループウェアにアップしたPDFは誰も開かず、古いバージョンがいつまでも残る
- Wikiやノーションのページは断片的で、新人が何を読めばいいか迷ってしまう
といった壁にぶつかります。結局、ベテランが現場で口頭指導したり、紙のマニュアルを掲示したり、何度もOJTを重ねるしかなく、時間と手間がかかる仕組みがずっと変わらないことが散見されました。
「人に伝える」のは、単なる言葉のやり取りではなく、相手の立場と認知プロセスを設計することです。そこにかかる時間や手間、品質リスクを考えれば、プロの手で「伝わるかたち」に仕立てる価値は十分にあります。もしご自身の組織で「伝えるための工数がかかりすぎている」「営業資料が思うように響かない」と感じられたら、どうか一度お声がけください。見えないコストを可視化し、ビジネスにコミュニケーションの課題を伴奏して解決します。