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印刷業界では「売上は落ちているのに利益は増えた」という企業と、じわじわと縮小している企業とで、差が開き始めています。その分かれ目のひとつが、印刷をしないデジタルコンテンツ制作を事業の柱として持っているかどうかです。
大寳製版株式会社(愛知県春日井市)は、1967年の設立以来、教材・学習参考図書の制作を事業の中心に置いてきました。その積み重ねてきた制作力が今、デジタルコンテンツという領域で改めて問われています。
印刷業界の二極化とは何か?
船井総合研究所が2026年にまとめた印刷業・製本業向けDX時流予測レポートでは、業界内の二極化が明確に示されています。生産効率を改善し、デジタル対応に乗り出した企業は「売上減・営業利益増」の構造を手にしつつある一方、従来の工程に軸足を置いたままの会社は縮小圧力を受け続けています。
同レポートで注目すべきは、「デジタルコンテンツ制作(印刷はしない)」が独立した売上カテゴリとして登場している点です。かつては印刷の付随サービスと位置づけられていたこの領域が、今や独立した事業として成立するようになっています。
デジタルコンテンツ制作は、印刷の延長にあるか?
結論から言えば、部分的には延長にあり、部分的にはまったく別の仕事です。
共通するのは、情報をどう整理・構造化するかという設計の工程です。読む人が迷わない順番で情報を並べる、視線の流れを考えてレイアウトを組む、といった判断は紙でも画面でも変わりません。
変わるのは、コンテンツが動く・操作できる・分岐するという前提が加わる点です。スライドをタップして次の解説が出る、選択肢を選ぶと正誤がわかる、3Dモデルを手元で回せるといった体験の設計は、印刷物にはない軸になります。
印刷会社の強みは、デジタルの仕事でも活きるか?
設計の工程が共通している分、印刷で鍛えた判断力はデジタルコンテンツ制作でも直接使えます。読む人が迷わない順番で情報を並べる、余白と文字の関係を判断する、見出しの粒度を揃えるといった仕事は、紙でも画面でも求められる能力です。
インタラクティブ設計・動画演出・3Dモデリングは印刷物では使わないため、別途習得が必要になります。ただし、情報をどう整理・構造化するかという設計の起点が共通しているため、出発点にある問いは同じです。
大寳製版株式会社では、1996年のMac DTP導入から制作ツールのデジタル化を段階的に進め、2017年にデジタルコンテンツ制作を本格的に事業に組み込みました。50年以上にわたる教材・学習参考図書制作で培った設計の感覚を起点に、インタラクティブ・動画・3Dまで対応できる体制を整えています。
印刷をしないコンテンツ制作は、実際どんな形で依頼されているか?
大寳製版株式会社に実際に届く依頼を見ると、教育・学習教材と製造現場向けデジタルマニュアルの2つに集まる傾向があります。
教育・学習教材の領域では、紙の学習参考図書をデジタル化した電子書籍、漢字のなぞり書きや書き順アニメーションを実装した学習ツール、インタラクティブな問題集といった案件を手がけています。いずれも印刷物として納品するのではなく、ブラウザで動く形で提供します。
製造現場向けデジタルマニュアルも、依頼が集まりやすい領域です。作業工程をアニメーションで視覚化し、注意事項をポップアップで表示する仕組みをつくることで、文字ベースの紙マニュアルでは伝わらなかった情報を画面上で補います。多言語対応を含む現場教育のニーズにも、この形で応えています。
どちらも、まず誰がいつどんな場面で使うかを定め、技術仕様はその後に選びます。機能より先に使い手を置くこの順番は、印刷物のレイアウトを組むときと変わりません。
印刷するかどうかより、伝わるかどうか
印刷をしないコンテンツ制作が新しい事業カテゴリとして成立するのは、発注者の問いが変化したからです。媒体を選ぶ前に、目の前の受け手に必要な情報が届くかどうかを問うようになっています。
大寳製版株式会社では、1967年から続く教材制作の経験を基盤に、組版・図版・デジタルコンテンツ・動画・3Dまで一気通貫で対応できる体制を整えています。媒体を問わず伝わる設計を提供できるのは、この積み重ねがあるからです。
印刷会社がデジタルコンテンツ制作に踏み出す際、技術よりも先に問われるのは設計力です。印刷物で培ってきた、伝わるかどうかを判断する力が、デジタルの仕事でも通用するかどうかを決めます。
参考事例
※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。
よくある質問
- Q. 印刷会社がデジタルコンテンツ制作を始めると、どんなメリットがありますか?
- A. 印刷物の受注が減少する局面でも、デジタルコンテンツ制作は新たな収益の柱になります。組版・図版・情報設計という印刷で培ったスキルが画面コンテンツの設計でも直接活きるため、まったくゼロから始める業種よりも参入しやすい領域です。
- Q. デジタルコンテンツ制作と印刷制作では、何が最も違いますか?
- A. 印刷は完成した静止物として届けるのに対し、デジタルコンテンツは操作できる・動く・分岐するという体験の設計が加わります。情報の整理・構造化という根幹は共通しつつも、インタラクティブ性をどう設計するかという視点が新たに求められます。
- Q. 印刷をしないコンテンツ制作に実績のある会社に依頼するメリットは?
- A. 組版・レイアウト・図版制作の経験を持つ会社は、読みやすさ・見やすさの判断基準がデジタル専業の会社とは異なります。印刷物での品質基準をデジタルにも持ち込めるため、完成度の高いコンテンツが期待できます。
- Q. 大寳製版株式会社に依頼できるデジタルコンテンツの種類は?
- A. 電子書籍・アクティブコンテンツ・デジタルマニュアル・動画・3D/AR/VRコンテンツの4種類に対応しています(自社実績より)。教育教材から製造現場向けマニュアルまで幅広い用途で実績があります。
- Q. 印刷業界の二極化は今後も続きますか?
- A. デジタル化の流れが逆転する要因は現時点で見当たらないため、印刷物の需要縮小とデジタルコンテンツ需要の拡大は続く可能性が高いです。船井総合研究所が2026年にまとめた印刷業・製本業向けDX時流予測レポートでも、デジタルコンテンツ制作を独立した収益カテゴリとして設計できているかどうかが、業績の分岐点になると分析されています。