例題の解説を読んで納得した学習者でも、後日ひとりで似た問題を解けるとは限りません。
問題集は、例題の直後の類題に加えて出され方を変えた問題と時間をおいた復習問題を収録し、各問題の解答と解説を問題とは別のページへ分けておけば、その場で理解したつもりの解き方を後日ひとりで再現できるかどうかを学習者が自分で点検できる演習になります。
本記事では、問題集や演習教材を発注・企画する際の判断材料になるよう問題の種類ごとに学習者がつまずきに気づける場面の違いを解説します。
目次
解説を見ずに解く問題を問題集に置く理由
問題集を用いる学習者にとっては、解説を読んで納得した段階と自力で解ける段階を区別できる問題があれば、次に何を復習するかを判断する材料が得られます。
その場で理解できた高校3年生は後日ひとりで解けたのか?
授業や解説を受けた直後の理解の実感と後日の解答の結果を比べた数値は、高校3年生を対象にした調査で公表されています。
武田塾が実施した高校3年生の「わかったつもり」に関する実態調査(2026年)によると、高校3年生の86.0%が授業や解説をその場で理解できたと実感し、そのうち約9割が後日ひとりで解けなかった経験を持つという結果でした。
調査に回答した高校3年生では、その場で理解できたと感じた人の約9割が後日ひとりで解けなかった経験を持っています。回答者は高校3年生100名に限られますが、調査の数値があれば、理解できたという実感だけでは後日の解答を見通せない場面について問題集の企画担当者と学習者が認識をそろえられます。
解説を目で追う作業と何も見ずに解く作業の違い
解説を目で追って納得することと何も見ずに解き方を再現することは別の作業です。解説を追う作業では手順の各段階が紙面に並んでいますが、何も見ずに解く作業では次の段階を学習者が自分で思い出す必要があります。
解答が同じ紙面にある問題で確かめられる範囲
解説や解答が同じ紙面に見えている問題では、何も見ずに解けるかどうかを判別できません。解答や解説が視界にある状態で解いた問題は、正解できても自力で解けたのかを学習者自身が区別しにくくなってしまいます。
解説を見ずに解く問題を例題とは別に用意しておけば、その場の理解と後日ひとりで解けるかの差を学習者自身が見極められます。
例題と類題はどう並べればよいのか?
例題と類題を組にして収録しておけば、学習者は解き方を一度見たうえで同じ手順を自分の手で再現する練習ができます。
例題の解説に記載される解き方の手順
例題の解説には、解き方の手順が一通り記載されています。例題は解き方を学ぶための問題であり、学習者が自力で解けるかを確かめる問題とは役割が異なります。
類題の解答を載せる位置
類題の解答を例題と同じ紙面に掲載せず別のページへ分けておけば、学習者は解説を見ずに類題に取り組めます。解答が同じ紙面にあると学習者の目に触れやすく、類題を解く作業が例題の解説を見ながら解く作業と同じになってしまいがちです。
例題の直後に解き方が同じ類題を収録して解答を別のページへ分けておけば、学習者は例題の手順を自力でたどれます。
類題の後に置く出され方を変えた問題
問い方の異なる問題を解けば、学習者は問題文を読んでどの解き方を用いるかを自分で選ぶ練習を積めます。
問題の出され方の違いでつまずいた回答の割合
高校3年生を対象にした調査では、後日ひとりで解けなかった理由についても回答が集められています。
武田塾が実施した高校3年生の「わかったつもり」に関する実態調査(2026年)によると、ひとりで解けなかった理由として出され方の違う問題に対応できなかったと答えた割合が40.3%という結果でした。
調査では、ひとりで解けなかった理由として出され方の違う問題に対応できなかったという回答が4割にのぼります。例題と同じ形なら解ける学習者でも、問い方が違う問題では解き方を選べない場合があります。
数値だけを替えた類題で練習できる範囲
数値だけを替えた類題は、例題と同じ形の問題で手順をなぞる練習にとどまります。手順をなぞる練習には向きますが、どの解き方を選ぶかを判断する練習ではありません。
出され方を変えた問題を類題の後に設けておけば、学習者は同じ解き方を別の問い方に当てはめる練習ができます。
時間をおいた復習問題はどこに配置すればよいのか?
復習問題を例題から離れたページに掲載すれば、学習者は解説を読んでから時間が空いた時点で復習問題を解くため、解き方を思い出せるかを点検できます。
解き方の手順を思い出せなかった回答の割合
高校3年生を対象にした調査では、解けなかった理由として出され方の違いとは別の回答も同じ割合で挙がっています。
武田塾が実施した高校3年生の「わかったつもり」に関する実態調査(2026年)によると、ひとりで解けなかった理由として解き方の手順を思い出せなかったと答えた割合も40.3%という結果でした。
調査では、ひとりで解けなかった理由として解き方の手順を思い出せなかったという回答が4割にのぼります。解き方を一度理解しても時間がたつと手順の一部が抜けてしまう事態には、解説直後の類題だけでは学習者も問題集の制作者も気づきにくいものです。
解説の直後に解く類題と時間をおいた復習問題の違い
解説の直後に解く類題は手順を覚えているうちに解く問題であり、時間をおいた復習問題とは測れる力が異なります。直後の類題では手順をたどれるかが分かり、時間をおいた復習問題では手順を思い出せるかが分かります。
復習問題に添える元の例題の参照先
復習問題に元の例題の参照先を記載しておけば、解けなかった学習者が例題の解説に立ち返って解き方を見直せます。例題の番号や掲載ページを手がかりに解けなかった学習者が元の例題へたどり着ければ、解説を読み直してから再び解く流れを問題集の中で完結できます。
時間をおいて解く復習問題を元の例題の参照先とともに後の章に配置しておけば、学習者は時間がたっても解き方を思い出せるかを自分で試せます。
まとめ
問題集を企画する際は、問題の数や難度に加えてどの問題の解答と解説を問題とは別のページへ分けるかも並べ方の判断材料にできます。
類題・出され方を変えた問題・時間をおいた復習問題を収録し、それらの解答と解説を問題とは別のページへ分けた問題集であれば、学習者は解説を読んで納得した段階と自力で解ける段階の違いに演習の中で気づけます。
問題集の制作と大寳製版株式会社の支援
大寳製版株式会社は教材・学習参考図書の制作に50年以上携わってきました。
類題の解答を別のページに掲載する紙面の工夫は、デジタル教材では解答の表示を切り替える機能で置き換えられます。
中学生向けの社会教材を電子書籍プラットフォームで展開した「社会 デジタル整理ワーク」では、大寳製版株式会社が紙面に解答の表示を切り替える機能を実装し、学習者が解答を隠したまま問題に取り組めるようにしました。
デジタル問題集では、問題をランダムに出題し直す機能で解説から時間をおいた解き直しの機会を設けられます。大寳製版株式会社は、中学3年間の復習教材に付属するデジタル問題集「マイペース 中学向けまとめ教材」をデザインから制作し、誤答の自動集計やランダム再出題の機能を実装しました。
問題集やデジタル問題集の制作は大寳製版株式会社へご相談ください。
よくある質問
- Q. 例題の直後の類題と時間をおいた復習問題は何が違うのですか?
- A. 解説の直後に解く類題では例題の手順をたどれるかが分かり、時間をおいた復習問題では解き方を思い出せるかが分かります。同じ解き方の問題でも、解く時点が違えば測れる力も異なります。
- Q. 類題の解答は問題集のどこに掲載すればよいですか?
- A. 例題と同じ紙面に掲載せず別のページへ分けておけば、学習者は解説を見ずに類題に取り組めます。解答が視界にある状態で解くと、正解できても自力で解けたのかを学習者自身が区別しにくくなってしまいます。
- Q. 数値を替えた類題があれば出され方を変えた問題は不要ですか?
- A. 数値だけを替えた類題は手順をなぞる練習にとどまります。問い方の異なる問題を類題の後に設けておけば、学習者は問題文を読んでどの解き方を用いるかを自分で選ぶ練習ができます。
- Q. 問題集やデジタル問題集の制作は相談できますか?
- A. 大寳製版株式会社には、中学3年間の復習教材に付属するデジタル問題集を制作した事例があります。問題集やデジタル問題集の制作をご検討中のご担当者様は、大寳製版株式会社へご相談ください。
※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。