2026.10.06

介護の法定研修は年に何回行うのか?サービスごとの回数と記録に記載する事項を解説

2026.10.06
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介護事業所では、虐待の防止や感染症対策の研修を毎年の予定へ組み込む必要があります。研修の回数はサービスの種類によって異なり、施設への入所や住まいとしての入居を伴うサービスでは年2回以上が求められます。

本記事では、介護事業所に義務付けられた研修のテーマと回数をサービスの種類ごとに整理し、研修資料と記録に記載する事項を解説します。

介護の法定研修で扱うテーマは何か?

介護の法定研修には、すべてのサービスに共通するテーマと、一部のテーマにだけ加わる訓練があります。

介護の法定研修とは

介護サービスの事業所には、サービスの種類ごとに運営基準が定められています。運営基準とは、事業所の人員・設備・運営について守るべき条件を定めた国の省令です。

厚生労働省の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準では、訪問介護の事業所が講じる措置として「当該指定訪問介護事業所において、訪問介護員等に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。」が定められています。

つまり介護の法定研修は、運営基準が事業者に実施を義務付けた研修を指します。法定研修は事業所が任意で選ぶ研修ではなく、基準を満たすために行う研修です。職員の技能を伸ばす研修とは別に年間の予定へ組み込んでおく対象になります。

感染症と業務継続の研修に伴う訓練

介護事業所は、感染症や災害が起きたときの対応を業務継続計画にまとめておく必要があります。業務継続計画とは、感染症や災害が発生しても必要な介護サービスを続けられるように事業所があらかじめ定めておく計画です。

厚生労働省の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準では、業務継続計画について「訪問介護員等に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施しなければならない。」と定められています。

そのため、感染症と業務継続の2つのテーマでは研修に加えて訓練も求められます。感染症の予防とまん延の防止についても、同じ基準の第三十一条で研修と訓練を定期的に実施するよう定められています。

研修は知識を説明する場、訓練は発生時の動きを実際に確かめる場として区別されます。2つのテーマでは、知識を身につけていることと実際に動けることの両方を事業所が確かめることになります。

訓練の手順を説明する資料

訓練を伴う2つのテーマでは、講義の資料とは別に訓練の手順を説明する資料が必要になります。講義の資料は知識を順に説明する作りになりますが、訓練では誰がどの順で何をするのかを参加者が手元で確かめられる作りが求められます。

目的の異なる講義の資料を訓練の場で流用すると、参加者が自分の担当する動きを追いにくくなってしまいます。

全サービスに共通する法定研修は、虐待防止・感染症・業務継続の3つのテーマに区分されます。テーマごとに求められる中身が異なるため、研修の準備はテーマの数だけ必要になり、訓練を伴うかどうかで用意する資料の種類も異なります。

サービスの種類で異なる研修の回数

法定研修の回数は年1回以上が基本であり、サービスの種類と職員の採用によって増えます。

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定期の研修の基本の回数

運営基準の条文には研修を定期的に実施することが定められていますが、回数までは記載されていません。

福井県が公表した介護保険施設等運営指導における主な指摘・指導事項(2024年度)には、各サービス共通の指摘として「虐待の防止のための研修を定期的(年1回以上)に実施していない。」が掲載されています。

つまり3つのテーマの研修は、年1回以上の実施が基本です。同じ資料には、業務継続計画と感染症の研修・訓練についても年1回以上の実施を求める指摘が並べられています。

年1回以上であれば、3つのテーマを1年の中で時期をずらして行えます。テーマごとに実施の月を定めておけば、研修が特定の月に集中せず、準備の負担を分散できます。

入所・居住系のサービスでの回数

介護サービスには、自宅で受けるサービスや通いのサービスのほかに施設へ入所するサービスや住まいとして入居するサービスがあります。

福井県が公表した介護保険施設等運営指導における主な指摘・指導事項(2024年度)には、3つのテーマの研修それぞれについて「老人福祉施設、老人保健施設、介護医療院、特定施設入居者生活介護の場合は年2回以上実施すること。」と記載されています。

つまり入所・居住系の4種類のサービスでは、研修を年2回以上行います。年2回以上になると、同じテーマの研修を1年に複数回行うことになります。毎回同じ説明を繰り返すのか、回ごとに扱う事例を替えるのかを事業所があらかじめ定めておく必要があります。

新規採用時の研修

定期の研修の日程は年間の予定に合わせて組めますが、職員を採用する時期は事業所が選べるとは限りません。

厚生労働省の指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準についてでは、虐待の防止について「定期的な研修(年1回以上)を実施するとともに、新規採用時には必ず虐待の防止のための研修を実施することが重要である。」と定められています。

そのため、定期の研修とは別に新規採用時にも研修を行います。新規採用時の研修は、採用があるたびに実施できるよう準備しておくことになります。

法定研修の回数はサービスの種類によって異なります。同じテーマでも提供するサービスによって必要な回数が違うため、研修の年間計画はサービスの種類を確かめてから組み立てる必要があります。複数のサービスを運営する法人では、事業所ごとに回数を数えることになります。

職員の資格によって加わる研修

介護事業所の研修には、事業所の中で行うもののほかに外部の実施機関で職員に受講させるものがあります。

認知症介護基礎研修の対象になる職員

介護の現場には、看護師や介護福祉士などの資格を持つ職員と、資格を持たずに介護の仕事に就く職員がいます。

東京都福祉局による認知症介護基礎研修eラーニングの案内によると、2021年度の制度改正で「介護サービス事業者に、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者について、認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることが義務付けられました」とされています。

つまり医療・福祉の資格を持たない職員には、認知症介護基礎研修を受講させる必要があります。対象になるかどうかは職員ごとの資格で判断されるため、採用時に資格を確かめておくことが受講の手配の前提になります。

認知症介護基礎研修の受講方法

認知症介護基礎研修は、事業所の中で行う研修とは受講の方法が異なります。

東京都福祉局による認知症介護基礎研修eラーニングの案内によると、認知症介護基礎研修は「仙台センターを研修実施機関として指定し、eラーニングで実施します」とされています。

そのため、認知症介護基礎研修はeラーニングで受講します。eラーニングの研修は、職員が勤務の合間に受講できます。事業所は集合研修の日程を組む代わりに受講の時間を勤務の中に確保することになります。

職員の資格によっては、事業所の研修とは別に外部の研修を受けさせる必要があります。外部の研修では事業所が教材を作る必要はなく、受講の手配と修了の確認が事業所の仕事になります。

研修の記録には何を記載するのか?

研修を実施しても、記録と資料がなければ後から実施を確かめられません。

記録に記載する項目と添える資料

自治体が介護事業所の運営の状況を確認する運営指導では、研修を実施したかどうかも確認の対象になります。

福井県が公表した介護保険施設等運営指導における主な指摘・指導事項(2024年度)には、研修の記録について「研修の記録には、日時、場所、参加者、内容を記録し、資料等を添えて保管すること。」と記載されています。

つまり研修の記録には、日時・場所・参加者・内容を記載し、資料を添えて保管します。研修で用いた資料そのものが記録の一部になるため、資料は、後から見返したときに何を扱ったのかを判別できるように保管しておく必要があります。

資料に作成日や版を記載しておけば、どの回にどの資料を用いたのかを記録と突き合わせられます。

欠席した職員への対応の記録

シフト勤務の介護事業所では、職員の全員が同じ日に研修へ参加できない場合があります。

福井県が公表した介護保険施設等運営指導における主な指摘・指導事項(2024年度)には、欠席した職員について「加えて、内部研修に欠席する職員に対して講じた措置(後日個別に説明、など)の記録も残すこと。」と記載されています。

そのため、研修を欠席した職員に講じた措置も記録しておく必要があります。研修の資料を講義に出席しなかった職員が読んで理解できる内容にしておけば、欠席した職員が後から同じ内容を受けられ、個別の説明にも対応しやすくなります。

法定研修を行ったことは、記録と資料で証明する必要があります。研修は、実施した事実を後から第三者が確かめられるように記録して初めて基準を満たしたと説明できます。記録の項目を先に定めておけば、研修のたびの記載漏れを防げます。

研修資料はどう作れば繰り返し利用できるのか?

研修資料の作り方によって毎年の研修と採用のたびの研修にかかる準備の量が異なります。

一緒に行える研修のテーマ

感染症のテーマでは、感染症の予防の研修と、感染症が発生したときの業務継続計画の研修の2つが対象になります。

厚生労働省の指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準についてでは、業務継続計画の研修について「なお、感染症の業務継続計画に係る研修については、感染症の予防及びまん延の防止のための研修と一体的に実施することも差し支えない。」と定められています。

つまり感染症の業務継続計画の研修は、感染症の予防の研修と一体で行ってかまいません。内容の重なる研修を一体で行えば、研修の回数と資料の数を抑えられます。

一体で行う場合は、両方のテーマを扱ったことが記録から判別できるように資料の中でテーマの区切りを明記しておきましょう。

講師が替わる研修で用いる資料

新規採用のたびに用いる資料は、講師が替わっても同じ内容を説明できるように作成しておく必要があります。研修の講師を同じ職員が毎回務められるとは限りません。説明の順序と要点が資料に記載されていれば、講師が替わっても説明する内容がそろい、記録に記載する内容も同じになります。

研修資料は、重なるテーマをまとめて繰り返し利用できるように作成しておく必要があります。法定研修は毎年や採用のたびに繰り返し行うため、資料は一度作って終わりではなく、繰り返しの利用と見直しを前提に作成しておきましょう。

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講義の資料と訓練の手順書を分けた構成や、講師が替わっても同じ説明ができる研修資料の作成については、大寳製版株式会社へご相談ください。

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よくある質問

Q. 介護の法定研修にはどのようなテーマがありますか?
A. 全サービスに共通するテーマは、虐待の防止・感染症の予防とまん延の防止・業務継続計画の3つです。感染症と業務継続計画の2つは、研修に加えて訓練も定期的に実施する必要があります。
Q. 介護の法定研修は年に何回行う必要がありますか?
A. 3つのテーマの研修は年1回以上が基本です。老人福祉施設・老人保健施設・介護医療院・特定施設入居者生活介護では年2回以上行います。虐待の防止の研修は、新規採用時にも実施します。
Q. 研修を欠席した職員がいる場合はどうすればよいですか?
A. 後日個別に説明するなどの措置を講じ、その措置の内容も記録しておく必要があります。研修の資料を講義に出席しなかった職員が読んで理解できる内容にしておけば、個別の説明に対応しやすくなります。
Q. 介護事業所の研修資料の制作は外部へ依頼できますか?
A. 講義の資料や訓練の手順書などの研修資料は、教材制作会社へ制作を依頼する方法があります。研修資料の構成や紙面の作成については、大寳製版株式会社へご相談ください。

※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。

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