2026.10.01

通信制高校の添削課題は科目ごとに何回分を用意するのか?記述式の設問と面接指導を免除する学習の課題を解説

2026.10.01
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通信制高校の教材を作る担当者にとって添削課題は科目ごとに本数と設問の形が定まった提出物です。全日制向けの問題集と同じ感覚で作ると、回数や記述式の割合が基準に届かないまま生徒へ配られてしまいます。

2026年7月23日には高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の改正法が公布され、2027年1月23日に施行されます。

文部科学省が検討会議の第1回で配付した法改正の背景及び概要の資料(2026年8月31日)には、通信制高校の教育の方法として添削指導・面接指導・試験の3つが定められていると記載されています。

本記事では、添削課題を科目ごとに何回分用意するのか、設問と解説をどの形で作るのか、面接指導を免除する学習に添える課題に何が求められるのかを解説します。

科目ごとに定められた回数の標準で確定する添削課題の本数

添削課題の本数は、科目の単位数に1単位あたりの回数を掛けた数から確定します。通信教育では教師が生徒を直接指導する機会が少ないため、回数の標準は上限ではなく、それ以上を確保する前提で運用されます。

1単位あたりの添削指導の回数は教科の区分ごとにどう違うのか?

添削指導の回数の標準は、教科の区分ごとに1単位あたりの回数で定められています。国語・地理歴史・公民・数学と保健は1単位につき3回で面接指導が1単位時間です。

理科と芸術・外国語は同じ3回でも面接指導が4単位時間、体育は添削が1回で面接指導が5単位時間、家庭・情報と専門教科は科目の必要に応じて2〜3回です。

文部科学省の高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編(2024年12月一部改訂)では、添削指導と面接指導について「それぞれの回数,単位時間数は十分確保する必要がある」と記載されています。

つまり、国語や数学のように1単位3回の教科と、体育のように1回の教科とでは、同じ単位数でも用意する課題の本数が3倍違います。同じ3回の教科でも面接指導の単位時間には1から4まで幅があり、課題の各回に何を割り当てるかは、その教科の面接指導との分担で定まります。

各学校が回数を定める学校設定科目と総合的な探究の時間

学校設定科目と総合的な探究の時間には、教科の表のような固定の回数がなく、各学校が添削指導の回数を定めます。

文部科学省の法改正の背景及び概要の資料(2026年8月31日)には、学校設定教科に関する科目などの添削指導の回数について「1単位につき、それぞれ1回以上及び1単位時間以上確保した上で、各学校で設定」と記載されています。

これは、学校が独自に設ける科目では課題の本数が学校ごとに違うということです。学校設定科目の課題を作る前にその学校が定めた回数を確認しておけば、分量を回数に合わせて割り付けられます。

添削課題の本数は、科目ごとに定められた1単位あたりの回数の標準から確定します。

記述式の設問と誤答に応じた解説で作られる添削課題

設問の形式は課題を作る段階で確定し、解説の付け方は返却の段階で確定します。記述式の設問に対して教師が誤答ごとの解説を記載できる余白と、模範解答の粒度をあらかじめ用意しておけば、返却のたびに解説の記載を一から組み立てずに済みます。

択一式や短答式が大半を占める添削課題はなぜ不適切なのか?

択一式や短答式の問題が大勢を占める添削課題は、思考力・判断力・表現力を育む観点から基準に合いません。

文部科学省の高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン(2023年2月一部改訂)では、「マークシート形式のように機械的に採点ができるような添削課題や、択一式や短答式の問題が大勢を占めるような構成の添削課題は不適切であること」と記されています。

これは、知識の確認は択一式で足りても、考えたことを文章にする設問がなければ添削指導として成立しないということです。

同じ要件は文部科学省の通信制課程に係る私立高等学校の認可基準(標準例)(2023年11月)にも、設置者が整える体制の1つとして記されています。各回に記述式の設問を必ず含め、択一式を記述式へつなぐ確認として位置づければ、基準に沿った課題になります。

一人一人の誤答に応じた解説とアドバイスの記載

添削では、正誤の指摘や一律の解説だけでなく、生徒一人一人の誤答に応じた解説と自学自習のアドバイスの記載が求められています。

同じ高等学校学習指導要領解説 総則編(2024年12月一部改訂)には、添削指導について「正誤のみの指摘はもちろん,解答に対する正答のみの記載や一律の解説の記載だけでは不十分,不適切であり」と記載されています。

つまり、解説の記載は教師の仕事で、課題の側には教師が誤答の型ごとに解説を分けられる素材が必要です。想定される誤答とその原因を設問ごとに整理しておけば、返却時の解説を生徒ごとに分けて記載できます。

添削課題と同じ問題にしない試験問題

試験問題は、毎年同じ問題や添削課題と全く同じ問題を避けて用意されます。

同じ高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン(2023年2月一部改訂)では、「試験問題が毎年同じもの又は添削課題と全く同じものとしたりするなどの不適切な試験が実施されることがないよう留意し」と記されています。

これは、課題と試験を同じ担当者が作る場合でも、試験は添削で扱った内容を別の設問で問う形で用意されるということです。課題の設問と試験の設問を対応づけた一覧を持っておけば、内容の関連を保ちながら同一の問題を避けられます。

添削課題は、文章で解答する記述式の設問を一定量含み、生徒ごとの誤答に応じた解説を付して返す形で作られます。

多様なメディアを利用した学習の教材に添える成果を確認する報告課題

動画や配信で学ぶ教材は、視聴させるだけでは面接指導の免除の根拠になりません。通信制高校の課程には、多様なメディアを利用した学習に面接指導の時間の一部を免除する定めがあります。

多様なメディアを利用した学習とは、ラジオ・テレビ放送やインターネットなどを利用して学習し、報告課題の作成などを通じて指導を受ける学習の方法です。教材本体と、視聴後に何を記述させるかを定めた報告課題を一組として用意する必要があります。

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面接指導の時間を10分の6まで免除できるメディア学習の条件

多様なメディアを利用した学習を計画的かつ継続的に取り入れると、各教科・科目の面接指導の時間数のうち10分の6以内を免除できます。

文部科学省の法改正の背景及び概要の資料(2026年8月31日)には、「面接指導等の時間数のうち10分の6以内の時間数を免除することができる」と記載されています。

これは、免除できる時間の上限が定まっているため、教材が受け持つ範囲も科目ごとに面接指導の時間から逆算できるということです。

文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査(2026年4月公表)では、特別活動以外の大半の教科・科目で免除を10分の6以内で行う学校が全体の70%から80%だったと報告されています。免除に充てる回数分の内容を年間の計画に沿って区切って用意すれば、教材の分量が免除する時間に見合います。

免除する時間数に応じて作成を求める報告課題

面接指導の時間を免除できるのは、報告課題の作成などによって学習の成果が満足できると認められる場合に限られます。

同じ高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン(2023年2月一部改訂)では、「一部免除を行うことができるのは、報告課題の作成等により、その成果が満足できると認められる場合であること」と記されています。

つまり、報告課題は視聴の証明ではなく評価の材料です。観点別の評価ができるように視聴した内容を用いて考えを記述させる設問が必要です。免除する時間数に応じて分量を割り付けておけば、免除の要件である成果の確認に足ります。

成果の確認にあたらない視聴内容の要約と視聴時間の換算

視聴内容の要約にとどまる報告書や、簡単な理解度チェックだけで免除を認める運用、視聴時間をそのまま面接指導の時間に換算する運用は、不適切と指摘されています。

全国通信制高等学校評価機構の日永龍彦委員が検討会議の第2回へ提出した資料(2026年9月29日)には、「視聴報告書が番組内容の要約にとどまる、簡単な理解度チェックのみで減免を認定する、視聴時間をそのまま面接指導時間に換算する」運用が点検調査で多数確認されているとの意見が記載されています。

これは、要約欄だけの報告書では視聴した事実は確かめられても成果は確かめられないということです。要約ではなく、視聴内容を根拠に判断や説明を記述させる設問へ置き換えれば、免除の要件である成果の確認にあてられます。

多様なメディアを利用した学習の教材には、学習の成果を確認する報告課題が添えられます。

添削課題とメディア学習の教材でよくある失敗

課題と教材は生徒に配って終わりではなく、所轄庁が確認する文書でもあります。

大阪府教育庁私学課が検討会議の第2回で発表した私立通信制高校の設置・監督にかかる大阪府の取組(2026年9月29日)には、実地調査の確認項目として教員免許状・スクーリング・添削指導・試験問題・通信教育実施計画などが記載されています。

回数・設問の形式・報告課題の有無を調査で確認される項目として扱えば、次に挙げる不備の型を避けられます。

高等学校教育にふさわしくない内容の添削指導

添削指導や面接指導の内容が高等学校教育にふさわしくない事案が、点検調査で指摘されています。

同じ法改正の背景及び概要の資料(2026年8月31日)には、点検調査を通じて指摘された例として「添削指導や面接指導の内容が高等学校教育にふさわしくないものだった事案」が記載されています。

これは、課題の内容が科目の目標に届いていなければ、回数を満たしていても指摘の対象になるということです。各回の設問がその科目の目標のどの内容事項に対応するかを確認してから出題すれば、回数だけを満たした課題を避けられます。

系列校で共通利用する課題の不備

系列校や提携校で添削課題・面接指導案・試験問題を共通利用している場合は、同種の問題が複数校で生じます。

同じ全国通信制高等学校評価機構の提出資料(2026年9月29日)には、「系列校やパートナーシップ関係にある学校では、添削課題、面接指導案、メディア視聴課題、試験問題等を共通して利用している場合があり、点検調査でも同種の問題が複数校で生じることがある」と記載されています。

つまり、1つの課題を複数の学校で用いる場合、1か所の不備がそのまま複数校の指摘になってしまいます。設問の形式と解説の素材を1つの版で整え、改訂を全校へ同時に反映できるようにしておけば、指摘への対応も1回で済みます。

学内規程やマニュアルになっていない課題の作成基準

添削指導・スクーリング・メディア学習・単位認定の基準を学内規程やマニュアルとして整備することが、検討会議で提案されています。

岩本悠委員が検討会議の第2回へ提出した資料(2026年9月29日)には、法令等遵守の取組例として「校長は添削指導、スクーリング、メディア学習、単位認定等の基準を学内規程・マニュアル等として整備」と記載されています。

これは、課題の作成基準が担当者の経験の中にしかない学校では、担当者が替わると課題の質も揺らいでしまうということです。記述式の割合や解説の素材の整え方を文書にしておけば、学校側の規程やマニュアルにそのまま組み込めます。

添削課題とメディア学習の教材の不備は、所轄庁の調査で指摘され、是正を求められます。

通信制高校向けの添削課題と教材の制作は大寳製版株式会社へご相談ください

大寳たいほう製版株式会社は、教材・学習参考図書の制作で50年以上の実績を重ねてきました(自社実績)。教材制作会社として記述式の設問と解答欄を組版の段階から整える紙面づくりについてご相談いただけます。

紙の教材を電子書籍教材へ展開した事例として中学生向けの社会科教材を紙面ベースの電子書籍として作り直したデジタル整理ワークや、紙とCD-Rの英語教材を電子書籍教材にリニューアルした楽トレSTARTがあります。

多様なメディアを利用した学習の教材と報告課題を一組で用意する場面では、デジタル教材制作と紙の課題の組版を同じ会社に依頼できれば、設問の形式と解説の素材を1つの版で揃えられます。大寳製版株式会社では、電子書籍教材と紙の課題の制作をあわせてご相談いただけます。

所在地は愛知県春日井市で、設立は1967年です。通信制高校の添削課題は、回数の標準・記述式の設問・報告課題の3点を基準に合わせて作れば、所轄庁の調査で確認される項目を満たした文書になります。課題と教材の制作は大寳製版株式会社へご相談ください。

参考事例

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株式会社G様

よくある質問

Q. 通信制高校の添削課題は1科目で何本必要ですか?
A. 科目の単位数に1単位あたりの回数の標準を掛けた本数が目安です。国語や数学は1単位につき3回が標準で、学校設定科目は各学校が1回以上で定めます。教材制作会社に依頼する場合も、科目名と単位数が確定していれば本数を見積もれます。
Q. 添削課題を択一式だけで作ってはいけないのですか?
A. 択一式や短答式が大勢を占める課題は基準に合いません。文章で解答する記述式を一定量取り入れ、返却時には誤答に応じた解説を付す形が求められます。
Q. 動画教材で面接指導を免除するには何が必要ですか?
A. 計画的かつ継続的にメディア学習を取り入れたうえで報告課題の作成などによって成果が満足できると認められることが条件です。免除できるのは面接指導の時間数の10分の6以内で、視聴時間をそのまま換算する運用は不適切と指摘されています。
Q. 添削課題の組版やデジタル化も依頼できますか?
A. 大寳製版株式会社では、記述式の設問と解答欄を含む紙の課題の組版と、電子書籍教材の制作をあわせてご相談いただけます。紙の教材を電子書籍教材へ展開した制作事例もあります。

※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。

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