2026.09.28

物流効率化法への対応で荷主は現場へ何を配るのか?手順資料に記載する内容と研修の記録のポイントを解説

2026.09.28
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物流効率化法への対応として中長期計画と定期報告を提出しても、貨物の受渡しと荷役は現場の従業者が担当します。社内で計画を作成した担当者と、荷物を出し入れする担当者が別であれば、計画の内容を現場へ渡す手立てが必要になります。

日経クロステックが2026年9月4日に公開した記事では、物流効率化法への対応でIT化が進まず、現場の負荷がかえって高まる恐れがあると報じられています。

2026年4月に全面施行された物流効率化法のもとで荷主が現場の従業者へ向けて行う周知・教育の内容と、そのために配る手順資料へ何を記載するのかを解説します。

物流効率化法が荷主に課す努力義務と特定荷主の義務

物流効率化法が荷主に課す義務は、取扱いの規模によって2段階に区分されます。努力義務だけが及ぶ荷主と、特定荷主として指定された荷主とでは、提出する書類の有無が異なります。

国土交通省の物流効率化法の解説ページによると、荷主と物流事業者には物流効率化のために取り組むべき措置の努力義務が課され、一定規模以上の事業者は特定事業者として指定されて中長期計画の作成や定期報告等が義務付けられると説明されています。

特定荷主は、国が取扱いの規模をもとに指定します。特定荷主とは、一定規模以上の取扱いがあるとして国から指定を受けた荷主で、中長期計画の作成と毎年度の定期報告が義務になります。指定を受けていない荷主にも、努力義務として同じ取組が求められます。

物流効率化法は全ての荷主に努力義務を課し、一定規模以上の荷主を特定事業者として指定して計画の作成と定期報告を義務付けています。特定荷主の指定を受けるかどうかで書類の提出という義務が加わります。

荷主に求められる書類以外の措置

書類を提出しても、現場の従業者が取組の中身を知らないままであれば、物流効率化法で求められている措置は現場で実施されないままになってしまいます。計画を作成する工程と、現場へ内容を周知する工程は別々に扱われています。

判断基準が定める責任者の選任と従業者への研修

取組の中身を定める担当者は、貨物を実際に扱う担当者と同じではありません。省令では、その両方に対する措置が定められています。

2025年4月に施行された荷主の判断基準を定める命令の第五条第一号では、「効率化のための取組に関する責任者の選任その他の必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、効率化のための取組に関する研修の実施その他の措置を講ずること」と定められています。

これは、責任者の選任と従業者への研修が、取組の実効性を確保する措置として省令で定められているということです。責任者を置くことと従業者へ研修を行うことは、取組を計画する側と作業する側の両方へ措置が及ぶことを意味します。

定期報告で報告する周知・教育の状況

報告の書式には、現場へ向けた取組を記載する欄もあります。

経済産業省が2026年4月に公開した物流効率化法対応の手引書 特定荷主編では、定期報告について「物流効率化の趣旨や具体策を社内の従業員に対して周知・教育しているかを報告します」と記載されています。実効性の確保の各項目は、3段階で回答する書式になっています。

そのため、定期報告では従業員への周知・教育の状況を3段階で報告することになります。報告の項目に周知・教育がある以上、荷主は研修や資料の配布を実施したかどうかを報告書へ記載できるようにしておく必要があります。

手引書が挙げる周知・教育の例

周知・教育として何を挙げればよいのかは、報告の記載例から読み取れます。

同じ手引書には、実効性の確保の記載例として荷役作業効率化の手順書を作成して従業員へ共有した例や、荷受け手順の標準化マニュアルを配布した例が掲載されています。

これは、周知・教育の例として手順書の作成・共有とマニュアルの配布が挙げられているということです。例に手順書とマニュアルが並んでいるため、現場へ配る文書そのものが周知・教育の実績として扱われます。

荷主の対応は、計画と報告の書類だけでは完結しません。

現場へ配る手順資料に記載する内容

省令には荷主が講じる措置が定められており、そのままでは現場の誰が何をするのかまでは判読できません。措置を日々の作業へ置き換える場所が、現場へ配る手順資料になります。

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判断基準に列挙された現場の作業に関わる取組

省令で並べられている措置は、事務所の中だけで完結するものではありません。

荷主の判断基準を定める命令の第三条第一項第一号では、「当該場所の状況を把握することその他の措置により、貨物の受渡しを行う日及び時刻又は時間帯を分散させること」と定められています。第四条第一項では、荷役等の効率化と、貨物に係る情報を事前に通知することが挙げられています。

これは、省令の取組が、受渡しの時間帯の分散や荷役の省力化など現場の作業に関わる措置として列挙されているということです。時間帯の分散や事前の通知は、出荷と受入の担当者が毎日の作業の中で行うことであり、現場の手順へ置き換えられます。

時間帯の分散や事前の通知を作業の順序にする記載の仕方

時間帯の分散や事前の通知を誰がいつ行うのかまで作業の順序として明記しておけば、現場の担当者は判断を待たずに荷役を開始できます。

手順は動作の主体と順序が確定していて初めて、現場の担当者が手順どおりに作業できます。措置の名称だけを並べた資料では、誰がいつ動くのかが確定しないままになってしまいます。

受渡しの時間帯を分散させる措置であれば、前日の何時までに翌日の受入枠を確認し、超過した分をどの時間帯へ振り替えるのかまで手順資料へ記載します。事前の通知も、通知する担当者と送る相手を工程の中で指定しておけば、当日の連絡漏れを防げます。

手引書が求める現場の意見の反映

資料を作る前に現場の担当者から作業の実情を聞き取っておけば、配ったあとで手順を守れないという指摘を避けられます。

手引書のよくあるミスの項では、「計画は実行可能である必要があり、現場の意見を聞いて、実現可能で持続性のある計画・目標にしましょう」と記載されています。

これは、計画を現場の意見を聞いて実行できるものにするよう求められているということです。計画に求められる実行可能性は手順資料にも当てはまり、現場の担当者が読んで実際にできる手順になっているかが、配る前に確かめる目安になります。

省令で定められた取組を作業の手順へ置き換えて明記する場所が、現場へ配る手順資料です。

研修と周知の記録の取り方

研修や周知は実施しただけでは報告へ記載できず、いつ何を実施したのかを記録していて初めて報告の根拠になります。

定期報告の提出時期と報告する内容

報告は一度きりの手続きではありません。

日本ロジスティクスシステム協会による荷主の義務の解説によると、特定荷主は指定を受けた翌年度以降の毎年度に努力義務の実施の状況について報告する必要があると説明されています。

これは、特定荷主が指定を受けた翌年度以降の毎年度に努力義務の実施状況を報告するということです。毎年度の報告があるため、記録を年度ごとに積み上がる形にしておけば、翌年の報告も同じ書式で作成できます。

判断基準が求める実施状況と効果の把握

報告へ記載するのは、実施したかどうかの有無だけではありません。

荷主の判断基準を定める命令の第五条第二号では、「効率化のために実施した取組及びその効果を適切に把握すること」と定められています。

これは、実施した取組とその効果を把握することが、省令で求められているということです。効果の把握まで求められる以上、研修や手順資料の配布についても、実施した日と内容を記録しておけば、報告の作成時に探し直さずに済みます。

研修の実施日と手順資料の版の記録

控えておく項目は、研修の実施日と配布物の版の2つで足ります。

研修の実施日と配布した手順資料の版を記録しておけば、定期報告の記載にそのまま用いられます。報告書は過去の実績を記載する書類なので、実施日と版を控えていれば、記載した内容を実績と突き合わせられます。

手順資料を改訂したときに版を繰り上げておけば、どの版を読んだ従業者が研修を受けたのかも対応させられます。

定期報告の項目と対応させて記録しておけば、研修と周知の実績をそのまま報告へ写せます。

現場へ配る手順資料のデジタル化は大寳製版株式会社へご相談ください

荷主が物流効率化法へ対応するとき、現場へ配る手順資料は省令で定められた取組を作業の手順へ置き換えて明記し、研修と周知は実効性を確保する措置として記録します。

大寳たいほう製版株式会社は、学習参考図書をはじめとする教材の制作を50年以上続けてきました。

設立は1967年で、紙の組版で培った作り方を画面向けのコンテンツの制作にも用いています。

新人教育と外国人教育の課題を抱える製造会社向けには、作業工程をアニメーションで視覚化し、注意点やチェックポイントをポップアップで表示するデジタルマニュアルを制作しました。

デジタル教材制作と同じように、現場へ配る手順資料も画面で読める形へ組み替えられます。

現場へ配る手順資料を画面で読める形へ変えたい場合や、改訂の手順とあわせて整えたい場合は、大寳製版株式会社へご相談いただけます。

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よくある質問

Q. 物流効率化法への対応で現場へ配る資料には何を記載すればよいですか?
A. 物流効率化法の省令で挙げられている受渡しの時間帯の分散や貨物情報の事前通知について誰がいつ行うのかを作業の順序として記載します。措置の名称だけを並べた資料では、現場で誰が動くのかが確定しません。
Q. 特定荷主の指定を受けていなければ、研修や周知は不要ですか?
A. 努力義務は全ての荷主に及ぶため、指定の有無にかかわらず同じ取組が対象になります。中長期計画の作成と定期報告という書類の義務が加わるかどうかが、特定荷主との違いです。
Q. 研修や周知の記録は何を残しておけばよいですか?
A. 研修の実施日と、配布した手順資料の版を控えておけば、定期報告の周知・教育の欄へ記載した内容を実績と突き合わせられます。手順資料のデジタル化については、大寳製版株式会社へご相談いただけます。
Q. 紙の手順資料をデジタルにすると何が変わりますか?
A. 改訂した内容を配り直す手間が減り、版の管理を1か所へ集められます。作業工程をアニメーションで視覚化した制作事例も、大寳製版株式会社にあります。

※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。

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