2026.07.01

探究学習の教材制作がなぜ難しいのか。次期学習指導要領の改訂背景と制作会社への影響を解説

2026.07.01

2026年6月、文部科学省の「総合的な学習・探究の時間ワーキンググループ」第8回が開催され、次期学習指導要領に向けた議論が続いています。

探究学習向けの教材は、通常の問題集や参考図書と作り方の前提が根本的に異なります。正解が決まっている問いを解かせるのではなく、問いを立てる過程と、答えのない問いに向き合う経験そのものを組み込む必要があるためです。

この記事では、探究学習の教材制作がなぜ難しいのかを、次期学習指導要領の動向と合わせて整理します。

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探究学習とは何か。学習指導要領での位置づけと2026年時点の変化

探究学習とは、生徒が自ら問いを立て、情報を収集し、考察して発表するまでの一連の過程を経験する学習方法のことであり、教師が正解を教えるのではなく、生徒の思考プロセスを支援する構造が特徴です。

「総合的な探究の時間」とは何か。必修化の経緯と現状

総合的な探究の時間とは、2022年度より高等学校で必修化された科目であり、教科横断的な課題について自律的に探究する活動を通じて、思考力・判断力・表現力を育てることを目的とした授業時間です。

中学校では「総合的な学習の時間」として1998年の指導要領から設けられており、2026年現在は小中高のすべての学校段階で探究的な学びが位置づけられています。

高校での必修化以降、学校現場では教材の整備が急務となりました。市販の教材は探究の手順を説明する形式に偏りやすく、実際の授業で使いにくいという声が現場から上がっています。

よくある失敗 「改訂の意図を読み違えて手順説明の教材を作ってしまう」

次期学習指導要領の改訂では「探究の質の向上」が核に置かれています。英語4技能・探究学習推進協会(ESIBLA)が公開している次期改訂の解説記事によると、2030年に小学校から全面実施、中学校は2031年、高校は2032年以降の段階実施が予定されています。

この流れを受けて探究教材の制作依頼が増える中で起きやすい失敗は、改訂のキーワードだけを拾って問いの立て方を教える手順書を作ってしまうことです。

改訂の意図は、探究のプロセスを知識として教えることではなく、生徒が実際に問いを立て、壁にぶつかり、考え直す体験を組み立てることにあります。手順を教える教材と体験を組み立てる教材は、構成のあり方が異なります。

探究学習の教材制作がなぜ難しいか

探究学習の教材制作は、知識・技能の習得を目的とする通常の教材とは作り方が根本的に異なります。何を正解とするかを制作側が決めず、生徒の問いの立て方や調査の過程を支援する仕組みを組み込む必要があります。

正解のない問いを扱うコンテンツの組み方

探究学習では、地域課題をテーマにした探究のように生徒がたどり着く結論が一人ひとり異なる、答え合わせのできないコンテンツを作る場面が多くなります。

こうした構造に対応した教材は、問いを提示するだけでなく、調査の方法・整理のフレーム・発表に向けた思考ツールを一体で組み込むことが求められます。

2025年以降、学研や増進堂などの出版社が探究実践ノート形式の教材を刊行しているのは、この需要に応えるためです。

よくある失敗 「探究の型を教えるだけの教材になってしまう」

探究学習の教材制作で起きやすい失敗は、探究のプロセスを図解して終わりにしてしまうことです。

問いを立てる→調査する→まとめる→発表するという手順を説明する教材は作りやすいですが、生徒がその手順に沿って動いても、何を問えばよいかわからない状態から抜け出せないことが多くあります。

使われる教材に必要なのは、生徒が最初の問いを立てるきっかけを与えるコンテンツと、調査の途中で壁にぶつかったときに立ち戻れるシートの構成と、発表後に自分の探究を振り返るための評価の基準です。

この3点を一体で組み込めるかどうかが、授業で使われる教材と棚に置かれたままの教材を分ける基準になります。

教材制作会社が担える役割とは何か

教材制作会社が探究学習に関わるとき、出版社が担うコンテンツ企画とは異なる役割があります。

素材・図版・デジタル化での制作支援

探究学習の教材では、生徒が地域・社会・自然などの実態を調査するための素材が必要です。地図・統計グラフ・写真・インフォグラフィックなどの視覚素材を、生徒が自分で読み取り考察できるよう仕上げることは、教材制作会社が本来持っている図版制作の技術が活きる場面です。

大寳たいほう製版株式会社は、教材・学習参考図書制作で50年以上の図版制作・組版ノウハウを積み上げており、探究学習向けの調査素材やワークシートの誌面の組み方にもこうした実績を応用しています。

失敗しない外注先の選び方

探究学習向け教材の制作を外注する際に確認すべきは、教材の種類や形式の提案ができるかどうかです。探究教材は誌面形式・デジタル形式・ハイブリッド形式など実装の幅が広く、何を作るかを決める段階から相談に乗れる制作会社かどうかが最初の判断基準になります。

2026年現在、企業が無償で探究教材を学校に提供するケースが増えています。こうした企業提供教材と学校が発注する教材の違いは、汎用性と現場への適合性のバランスをどう取るかにあります。

学校の授業の組み立てに合わせた形で教材の構成を変えられるかどうかが、外注先を選ぶ際の確認事項です。大寳製版株式会社では、教育系出版社からの図版・デジタルコンテンツ制作を多数手がけており、探究学習向け教材の開発においても誌面の組み方とインタラクティブコンテンツの両面から対応しています。

次期学習指導要領の改訂で制作会社に何が変わるか

次期学習指導要領の改訂は、教材需要の構造に変化をもたらします。制作会社の観点から、その変化への備えを整理します。

2030年全面実施に向けた準備が今始まっている

次期学習指導要領は、2030年の小学校全面実施に向けた準備が2026年度から本格化します。教材制作会社にとっては、指導要領の告示・公示前後に出版社や学校からの探究教材制作の相談が増える時期が来ます。

この準備期間を経ずに相談が来た段階で対応しようとすると、知見の蓄積が間に合わないリスクがあります。探究学習向けの教材づくりの考え方を今から積み上げておくことが、2028年以降の相談に対応するための準備になります。

失敗しない改訂対応 「指導要領の告示後に動き始めると間に合わない」

学習指導要領の改訂サイクルでは、告示の1〜2年前から教材制作の準備が始まります。告示後に動き始めると、先行している制作会社や出版社がすでに受注を確保した後になります。

大寳製版株式会社は、教育系出版社の制作パートナーとして図版・デジタルコンテンツの技術的な制作を担ってきました。2026年現在から探究学習向けのデジタルコンテンツ制作の実績を積むことで、次期改訂後の教材制作の相談に対応できる体制を整えています。

探究学習の教材制作が難しい理由は、正解のない問いを扱う構造にあります。手順を教えるだけの教材では授業で使えないため、問いを立てるきっかけ・調査の整理・振り返りの基準を一体で作り込むことが求められます。

次期学習指導要領の改訂議論が進む2026年現在、制作会社が今から探究学習への対応を積み上げておくことは、2028年以降の需要増に備える上で現実的な準備になります。

大寳製版株式会社は、愛知県春日井市を拠点に、50年以上の教材・学習参考図書制作で培った図版制作・組版の実績を活かし、教育系出版社の制作パートナーとして探究学習向け教材のデジタルコンテンツ制作に対応しています。

参考事例

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よくある質問

Q1. 探究学習とは何ですか?
A. 探究学習とは、生徒が自ら問いを立て、情報を収集し、考察して発表するまでの一連の過程を経験する学びのことです。教師が正解を教えるのではなく、生徒の思考プロセスを支援する授業形態です。
Q2. 総合的な探究の時間とは何ですか?
A. 総合的な探究の時間とは、2022年度より高等学校で必修化された科目であり、教科横断的な課題を自律的に探究する活動を通じて、思考力・判断力・表現力を育てることを目的としています。中学校では「総合的な学習の時間」として位置づけられています。
Q3. 次期学習指導要領で探究学習はどう変わりますか?
A. 次期学習指導要領では「探究の質の向上」が核に置かれ、探究的な学びを各教科にも広げる方向で議論が進んでいます。2030年以降の全面実施に向けて、2026年度から本格的な改訂議論が進んでいます。
Q4. 探究学習の教材制作が通常の教材と違う点は何ですか?
A. 通常の教材は正解のある問いを扱うのに対し、探究学習の教材は正解を提示しない構造が求められます。問いを立てるきっかけ・調査の整理方法・振り返りの基準を一体で作る必要があり、作り方の前提が異なります。
Q5. 探究教材の制作を外注する際に何を確認すればよいですか?
A. まず、誌面形式・デジタル形式など実装の幅に応じた提案ができるかを確認します。探究教材は形式の選択肢が広いため、何を作るかを決める段階から相談に乗れる制作会社かどうかが最初の判断基準になります。
Q6. 企業が無償提供する探究教材と学校が発注する教材は何が違いますか?
A. 企業提供の探究教材は汎用性が高い一方、学校の授業の組み立てとかみ合わないことがあります。学校発注の教材は、授業の進め方や評価基準に合わせて構成を調整できる点で異なります。
Q7. 出版社と制作会社の役割の違いは何ですか?
A. 出版社がコンテンツの企画・著作権を担い、制作会社が組版・図版・デジタル化の技術的な制作を担うのが一般的な分業構造です。大寳製版株式会社は教育系出版社の制作パートナーとして、図版とデジタルコンテンツ制作を担ってきました。
Q8. 探究学習の教材制作は今から準備すべきですか?
A. 次期学習指導要領の全面実施は2030年以降ですが、教材制作の準備は告示の1〜2年前から始まります。知見の蓄積には時間がかかるため、2026年現在から探究学習向けの教材づくりを学んでおくことが現実的な準備になります。

※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。

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