2026.09.14

文部科学省の学習資料はどのような分担で作られるのか?企画と監修の受け持ちと紙面の作りを解説

2026.09.14
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学校の廊下や理科室に貼られる1枚もののポスターは、教材のなかでも作りが独特です。手に取って読む冊子と違い、離れた位置から見られ、載せられる情報も1枚分に限られます。

文部科学省は2026年9月1日に令和9年度版の学習資料「一家に1枚」のテーマを炭素に決めたと発表しました。ReseEd の報道(2026年9月2日)によると、第23弾にあたる令和9年度版は2027年4月の科学技術週間に向けて制作され、全国の学校に配布されるとされています。

「一家に1枚」とは、文部科学省が2005年から毎年新しいテーマで制作しているポスター形式の学習資料で、4月の科学技術週間に合わせて小中学校や高等学校、大学、科学館などへ配られるものです。

本記事では、「一家に1枚」が誰の受け持ちで作られ、紙面が何を優先して組まれ、載せきれない情報をどこへ置いているのかを解説します。

一家に1枚の企画から配布までの分担

「一家に1枚」は文部科学省の名前で配られる資料ですが、制作にかかわるのは文部科学省だけではありません。テーマを提案する研究者から窓口で配る科学館まで受け持ちが分かれています。

テーマと監修チームの決め方

テーマは文部科学省が内部で書き下ろすのではなく、外からの提案を集めて選ぶ形です。

科学技術振興機構のサイエンスポータルに載ったコラム(2023年7月)によると、2009年から大学や研究機関などに企画応募を呼びかけ、委員会での審議を経てテーマが選定されているとされています。

そのため、テーマと監修チームは大学や研究機関からの公募と選考委員会の審議で決まります。

監修チームと業者と文部科学省の受け持ち

選ばれた監修チームがポスターを丸ごと作るわけではありません。文章を書く人と紙面を組む人は別です。

文部科学省の令和9年度版の企画・監修者募集の応募要領(2026年6月)では、監修チームに「ポスター、特設サイト及び関連動画の全体構成、内容の執筆や専門用語の解説等」を中心に執筆と監修を依頼すると記されています。

デザインやサイトの構築、動画の制作は専門の業者に協力を求める前提です。応募要領には、業者の選定に加えて「ポスターの印刷、全国への配布、令和9年度版の特設サイトの公開」を文部科学省が行うと記されています。

つまり、監修チームは全体構成と執筆と用語解説を受け持ち、印刷と全国への配布と特設サイトの公開は文部科学省が受け持ちます。研究者は書く内容に責任を持ち、刷って届ける工程は担当しません。

科学館での配布の形

刷り上がった紙面は、学校への発送とは別に科学館などの窓口でも配られます。

科学技術館の配布のお知らせ(2026年4月)には、入館者が配布場所から自由に持ち帰る形で配り、なくなり次第配布を終了すると書かれています。

これは、配布先の科学館では入館者が自由に持ち帰る形で配られ、在庫がなくなれば終わるということです。申し込みの窓口を置かず、その場にある分だけを渡す配り方です。

「一家に1枚」は、企画と監修を外部の専門家チームが担い、印刷と配布を文部科学省が担う分担で作られています。

紙面の対象と情報量

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受け持ちが決まったあと、紙面の中身は誰に向けてどれだけ載せるかで決まります。紙面の中身の決め方には、第1弾から続く前提があります。

家庭に貼る周期表としての第1弾

シリーズの第1弾は元素の周期表でした。

科学技術振興機構のサイエンスポータルのコラム(2023年7月)は、きれいで豊富な情報を含んだ周期表を各家庭に普及させ、親子で科学のはなしをするきっかけにしてほしいとの思いから生まれたと伝えています。

つまり「一家に1枚」は、家庭に貼って親子で科学の話をするきっかけになる周期表として生まれました。貼られる場所として教室に限らず家庭の壁が最初から想定されています。

対象学年と下の学年への配慮

読む相手は大人から子どもまで幅広いものの、紙面を組むうえでの目安の学年は一つに決められています。

応募要領の制作方針では、対象学年を中学生とし、広く一般向けに関心と理解を持ってもらうことを目指すと記されています。

小学生が読めないままでよいわけでもありません。制作方針には、対象学年未満の児童生徒にも用語の補足、ふりがな、視覚的に理解しやすい構成などで配慮すると記されています。

これは、対象学年は中学生とし、下の学年にも用語の補足やふりがなで読めるように配慮するということです。文字の大きさや語の選び方を中学生に合わせ、難しい語には短い説明を添えます。

余白と文字サイズと図の使い方

貼られた紙面は、本のように手元で読まれません。離れた位置から見られ、興味を持った人だけが近づいて読みます。

応募要領には、科学技術への興味・関心が高くない人々にとっても親しみやすいデザインとなるように、十分な余白と適した文字サイズ、イラストや写真を活かして制作するよう記されています。

そのため、科学への関心が高くない人にも親しみやすいよう、十分な余白と文字サイズとイラストや写真で見せる作りになります。載せたい事柄をすべて置くのではなく、伝える順番に沿って掲載する情報を絞ります。

配られる紙面の判型

手元に届く紙は1枚です。

科学技術館の配布のお知らせには、配るのはA2判をA4サイズに折り畳んだもので、折っていないものはないと書かれています。

つまり、配られる紙面はA2判1枚で、広げて貼る大きさです。A4に折られた状態で持ち帰り、貼るときに広げる前提で作られています。

紙面は中学生を対象に情報を絞って貼って見せる形で作られています。

紙面に載せない情報の置き場

情報を絞ると、載せられなかった説明が残ります。「一家に1枚」では、載せられなかった説明の置き場が紙の外に用意されています。

特設サイトと解説動画の公開

ポスター1枚で終わらせない作りは、後の版で加わりました。

サイエンスポータルのコラム(2023年7月)は、近年ではポスターだけでなく特設サイトや解説動画も公開してコンテンツを充実させ、SNSでも発信していると伝えています。

これは、近年はポスターとあわせて特設サイトと解説動画が公開されているということです。紙面で興味を持った人が、続きを画面で読める形になっています。

授業向けの対応表とワークシート

特設サイトは一般の閲覧者に加えて教員にも向けられています。

令和8年度版の地球では、企画と監修を担った防災科学技術研究所の教員向けページに授業でも活用しやすいよう学習資料と関連する学習指導要領の内容をまとめたと書かれています。

対応表だけでは授業の材料に足りません。教員向けページには、ポスターの内容を深掘りした実験・解説の動画とワークシートも用意していると書かれています。

つまり、令和8年度版の地球では、授業で使えるよう学習指導要領との対応と動画とワークシートが特設サイトに置かれています。紙面は貼って見せ、授業で使う材料は画面側に分けています。

紙面に載せきれない詳細は、特設サイトと動画に分けて持たせています。

まとめ

「一家に1枚」は、企画と監修を外部の専門家チームに委ね、中学生を対象に情報を絞って貼って見せる1枚のポスターとして作られ、紙面に載せきれない詳細は特設サイトと動画へ分けて持たせる学習資料です。

掲示して見せる学習資料を作るときも、決める順は同じです。誰が中身を書き誰が紙面を組むのかを分け、目安の学年を一つに決め、離れて見る紙面に載せる情報を絞ったうえで、残りを画面へ回す順です。

紙面と画面の分け方も含めて大寳たいほう製版株式会社へご相談いただけます。

掲示して見せる学習資料の制作は大寳製版株式会社へご相談ください

大寳製版株式会社には、教材・学習参考図書の制作で50年以上の実績があります(自社実績)。

子ども向けの学習世界地図の改訂では、中学年・高学年向けの組版とイラストと図版の作成を担当しました。英語教材シリーズの紹介チラシでは、イラストと説明文の配置で読む順番を誘導し、教材の構成をアイコンで図解した一枚に仕上げています。

教材制作会社として紙面の組版から図版の作成まで一続きで対応しています。

貼って見せる学習資料の紙面や図版の制作については、大寳製版株式会社へご相談ください。

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よくある質問

Q. 一家に1枚はどこで受け取れますか?
A. 4月の科学技術週間に合わせて全国の学校へ配られるほか科学館や博物館などの配布協力機関で無料で受け取れます。過去のものは文部科学省の科学技術週間のサイトからPDFで閲覧できます。
Q. 一家に1枚は誰が作っていますか?
A. テーマと監修チームは大学や研究機関からの公募で決まり、監修チームが全体構成と執筆を担います。デザインは専門の業者、印刷と配布は文部科学省が受け持ちます。
Q. 一家に1枚の対象は何年生ですか?
A. 目安は中学生です。文部科学省の制作方針では、下の学年にも用語の補足やふりがなで読めるように配慮し、大人にも関心を持ってもらうことを目指すとされています。
Q. 学校や企業で配る掲示用の学習資料の制作は依頼できますか?
A. 紙面の組版や図版の作成について大寳製版株式会社へご相談ください。画面向けの補足を作る場合は、デジタル教材制作とあわせてお問い合わせください。

※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。

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