2026.09.11

道徳科のノート型教材が授業ごとの記述を残す形で作られる理由。数値によらない評価と記録の蓄積を解説

2026.09.11
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道徳科の授業では、児童生徒が毎回の授業で考えたことをワークシートや道徳ノートに書き込みます。こうしたノート型教材を作るときは、各回の欄に何を書き残し、学期や年間でどう蓄積するかを先に決める必要があります。

ノート型教材とは、授業ごとに児童生徒が自分の考えや振り返りを書き込む欄を持つワークシートや道徳ノートのことで、道徳科では評価の材料にもなります。

ICT教育ニュースが報じた電算のデジタル道徳ノート「徳えもん」の提供開始(2026年9月7日)によると、授業ごとに記入された学んだことや感想をシステムが蓄積し、その記録から道徳の所見の原案を生成するとされています。

本記事では、道徳科の評価がどう行われるかと、その評価の材料になるノート型教材が授業ごとの記述を蓄積する形で作られる理由を解説します。

道徳科の評価はどのように行われるのか?

道徳科の評価は、他の教科のように点数や段階で表しません。点数や段階で表さない代わりに何をどの期間で見て、どんな形で書くのかが決められています。

数値による評価を行わない定め

道徳科では、学習の様子を把握しても数値で評価しないことが決められています。

文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 特別の教科 道徳編には、学習指導要領第3章の規定として、学習状況や成長の様子を継続的に把握して指導に生かすと求めたうえで「ただし,数値などによる評価は行わないものとする。」と記載されています。

これは、道徳科では数値などによる評価を行わないと定められているということです。把握はするが点数にはしないという区別が、以降の評価の形をすべて決めています。点数や段階の評定は、この規定によって道徳科には付きません。

学期や年間のまとまりで行う記述式の個人内評価

評価は授業1回ごとに付けるのではなく、学期や年間のまとまりで行います。同じ学習指導要領解説の第5章では、評価の形が次のように書かれています。

「個々の内容項目ごとではなく,大くくりなまとまりを踏まえた評価とすることや,他の児童との比較による評価ではなく,児童がいかに成長したかを積極的に受け止めて認め,励ます個人内評価として記述式で行うことが求められる。」と記載されています。

つまり、評価は内容項目ごとではなく年間や学期のまとまりで児童生徒がどう成長したかを記述式で行います。内容項目とは、善悪の判断や友情のように道徳科で扱う内容を分けた項目のことです。

個人内評価とは、他の児童生徒と比べるのではなく、その児童生徒の以前の姿と比べて成長を認める評価のことです。1回の授業で何を書いたかより、学期を通して書いたものがどう変わったかが読まれます。

見取りの材料になる作文やノートの記述

記述式で評価するために教員が見るものは、授業中の様子だけではありません。道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議の報告(2016年7月)には、個人内評価を記述で行うにあたって「観察や会話、作文やノートなどの記述、質問紙などを通して」見取ると記載されています。

これは、見取りの材料に観察や会話と並んで作文やノートなどの記述が挙げられているということです。発言の少ない児童生徒でも、ノートに書いた内容が残っていれば、教員はそこから考えの変化を読み取れます。

指導要録に書く内容

見取った結果は指導要録に記入します。指導要録とは、学校が児童生徒の学習の記録を残す公式の原簿で、道徳科の欄には成績ではなく文章を書きます。

同じ専門家会議の報告には、指導要録上「一人一人の児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子について、特に顕著と認められる具体的な状況を記述する」改善が妥当であると記載されています。

つまり、指導要録には特に顕著と認められる具体的な状況を記述します。全部の授業を並べるのではなく特に目立った場面を具体的に書く形なので、教員にはその場面を後から探せる記録が必要になります。

道徳科の評価は数値ではなく、児童生徒の記述をもとにした個人内評価で行われます。数値で評価しない定めのもとで、教員はまとまりの期間の成長をノートの記述などから読み取り、文章で書きます。

授業ごとの記述を蓄積する教材の作り

評価の材料になるノートやワークシートは、教員が毎回の授業で使い、学期や年間にわたって残していく教材です。作りの前提は、各回の記述が後から評価に使える状態で蓄積されることにあります。

学校で決める毎時間の評価材料

どの材料を評価に使うかは、学校ごとに決めます。京都市教育委員会が2018年3月にまとめた資料「特別の教科 道徳 評価について」は、評価材料の例を次のように挙げています。

「評価材料は,道徳ノートやワークシート,感想文(作文),レポート,スピーチ,プレゼンテーション等に加え,毎時間の授業観察や児童生徒の発言,エピソード等の記録などが考えられます。」と記載されています。

同じ資料には、毎時間どのような評価材料を蓄積していくかを「道徳教育推進教師を中心に学校でよく議論し,全教師で共通理解することが大切です」とも書かれています。

つまり、評価材料は道徳ノートやワークシートなどで、毎時間どの材料を蓄積するかを学校で共通理解して決めます。ワークシートは学校が評価材料として選ぶ候補の1つで、選ばれれば毎時間の分が学期の終わりまで手元に残ります。

1時間の記述と長期の記述から見取るワークシート

ワークシートは、1回の授業の記述と、学期をまたいだ記述の変化の両方を見るための資料です。東京都教職員研修センターの平成29年度研究報告「道徳科 指導と評価【理論編】」は、ワークシートの活用による評価の特長を3つ挙げています。

「1単位時間における児童・生徒の記述から見取ることができる」「中・長期的な児童・生徒の学びの姿を見取ることができる」「児童・生徒による自己評価から見取ることができる」の3点です。

同じ研究報告には「中・長期的に継続して使用したワークシートを蓄積することは、児童・生徒の考えを一定のまとまりで見取る上で効果的です。」とも記載されています。

これは、ワークシートが1単位時間の記述と中・長期の学びの姿の両方を見取る資料で、継続して使ったものを蓄積するということです。1枚ずつが独立した配布物ではなく、同じ児童生徒の記述を回をまたいで見比べられる形で作られます。

各回の欄に書かせる3つの内容

各回の欄に何を書かせるかは、書く活動のねらいから決まります。東京都教職員研修センターの研究報告には、児童・生徒が書く活動を行うねらいが次のように記載されています。

「自身の考えを表す」「友達の考えや意見と交流したことによる自身の考えを表す」「学習を振り返って、学んだことや考えの変容などの気付きが分かる」の3点です。

つまり、各回の欄には自分の考え、交流を経た考え、振り返りの気付きを児童生徒自身が書きます。授業の前半で書いた考えと話し合いの後で書いた考えが同じ紙面に並ぶと、教員は1回の授業の中での変化をそのまま読み取れます。

デジタルの道徳ノートも同じ欄を持っています。ICT教育ニュースが報じた電算の「徳えもん」(2026年9月7日)によると、徳えもんは授業ごとに記入された「学んだこと」や「感想」をデジタルデータとして蓄積し、その蓄積データから道徳所見の原案を自動で生成するとされています。

所見とは、指導要録や通知表に教員が文章で書く評価のことです。紙のワークシートと同じく、各回の記述を残して所見へつなぐ作りになっています。

ノート型教材は、授業ごとの記述を残してまとまりの期間で蓄積する評価の資料として作られます。学校が評価材料として選ぶ教材であり、1回ごとの記述と長期の変化の両方を見取る資料でもあるため、各回の欄は決まった内容を書く形になります。

記述欄の量と形を決める基準

書く欄を増やせば評価の材料が増えるとは限りません。記述欄の量と形には、書かせすぎを避ける基準と、記述を何に使うかという基準の両方が関わります。

発問のすべてを書かせる形で起きること

発問のたびに書かせる形のワークシートは、授業の目的を変えてしまいます。東京都教職員研修センターの研究報告には、そうした授業の様子が次のように記載されています。

「本時の発問のすべてがワークシートにあらかじめ示され、児童・生徒が黙々と書いていくといった、まるで書くことが目的であるかのような印象を受ける授業が見られます。」と書かれています。

これは、発問のすべてを最初から欄に並べて書かせる形にすると、書くことが目的の授業になってしまうということです。道徳科の目標は書く力を高めることではなく道徳性を養うことであるため、書く場面は1回の授業のどこに置くかを絞って作られます。

記録物そのものではなく成長を見取る評価

書かれた量や文章の巧みさも、評価の対象ではありません。専門家会議の報告(2016年7月)には、記録を蓄積して評価に使う方法について次の留意点が記載されています。

「記録物や実演自体を評価するのではなく、学習過程を通じていかに成長したかを見取るためのものであることに留意が必要」と書かれています。

つまり、評価は記録物そのものではなく学習過程を通じた成長を見取るものです。欄を大きくして長く書かせるより、前の回と比べて考えがどう変わったかを短い記述でも追える形のほうが、この評価の使い方に合っています。

保護者と共有する学びの足跡としての用途

ノートやワークシートを読むのは教員だけではありません。京都市教育委員会の資料には、個人面談や懇談で保護者と共有する資料について次のように記載されています。

「副票や補助資料等を作成しない場合も,児童生徒の学びの足跡がわかる資料(道徳ノートやワークシート,感想文等)を用いて,児童生徒に表れた姿を積極的に保護者と共有します。」と書かれています。

これは、ノートやワークシートが学びの足跡がわかる資料として保護者との共有にも使われるということです。保護者が読む場面を想定すると、児童生徒の字がそのまま読める余白と、どの授業の記述かが分かる日付や題名の欄が必要になります。

記述欄の量と形は、書かせる量ではなく考えの変化が読み取れるかで決めます。書くこと自体を目的にしない授業にも、保護者と共有する用途にも、量の多さより読み取りやすさが合っています。

まとめ

道徳科のノート型教材は、各回の考えと振り返りを書き残して蓄積する形で作られます。評価が数値ではなく学期や年間のまとまりで行う記述式の個人内評価であり、授業ごとの児童生徒の記述がその材料になるためです。

教材の作りとしては、各回に書く内容の欄がそろい、回をまたいで見比べられる紙面になります。保護者にもそのまま読める形が前提です。

大寳たいほう製版株式会社は、学習参考図書の組版と図版の制作を50年以上続けてきました。書き込む欄と読む本文を同じ紙面に収めるノート型教材についても、ご相談いただけます。

道徳科のノート型教材の制作は大寳製版株式会社へご相談ください

授業ごとの記述欄をそろえた道徳科のノート型教材は、大寳製版株式会社へご相談ください。学習参考図書の組版と図版作成の実績をもとに紙面の構成からご相談いただけます。

改訂にあわせて中学年・高学年向けの組版・イラスト・図版作成を担当した学習世界地図シリーズのように学年に応じた紙面を組んでいます。

紙のワーク教材を画面でも使える形にする教材のデジタル化についても、中学生向け社会教材を紙面ベースの電子書籍にデジタル要素を重ねて仕上げたデジタル整理ワークの実績があります。デジタル教材制作もあわせてご相談ください。

大寳製版株式会社は愛知県春日井市にあります。1967年の設立から学習参考図書の教材制作を続けています。

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よくある質問

Q. 道徳科の評価に点数は付きますか?
A. 付きません。学習指導要領で数値などによる評価は行わないと定められており、学期や年間のまとまりで記述式の個人内評価を行います。
Q. 道徳のワークシートには毎回何を書かせますか?
A. 授業の最初に持った自分の考えと、話し合いを経て変わった考えを書き、最後に学んだことや気付きを振り返ります。この記述が評価の材料になります。
Q. ワークシートは1回ごとに回収して終わりですか?
A. いいえ。学期や年間の期間で蓄積し、記述の変化を見取る資料として使われます。個人面談や懇談で保護者と共有する資料にもなります。
Q. 道徳科のノート型教材の制作はどこに相談できますか?
A. 学習参考図書の組版と図版制作を50年以上続けてきた大寳製版株式会社へご相談ください。教材のデジタル化もあわせてご相談いただけます。

※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。

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