STEM教育が小・中学校の現場に定着してきた今、教材制作の担当者から、図版の描き方に悩んでいるという声をよく聞くようになりました。
科学や数学の概念は目に見えないものが多く、紙面やデジタル画面でどう表現するかが悩みどころです。この記事では、子どもに伝わるSTEM教材の図版・図解を設計するうえで大切にしたいポイントを整理します。
なぜSTEM教材の図版は難しいのか
電流・磁場・確率の概念は、子どもが日常生活で目にできません。紙面でこれらを伝えるには、目に見えないものを何らかの形に置き換える作業が必要です。
さらに、対象は小学生から中学生まで幅広く、認知の発達段階によって伝わりやすい表現は大きく変わります。科学的な正確さを保ちながら、子どもが直感的に理解できる図版を作ることの難しさに、STEM教材のビジュアル設計の本質があります。
子どもに伝わる図版設計の3原則
STEM教材の図版設計で意識したいのは、次の3点です。
まず、一図一メッセージです。複数の情報を一枚に詰め込むと、どれに注目すべきかわからなくなります。伝えることを一つに絞ることが、読み手の混乱を防ぐ最初の一歩です。
次に、視線の流れを設計することを意識します。大きさ・色・配置を意図的に使い、ここから読むという流れを図の中に作ります。どこに目が向かうかを設計しないと、大事な情報が読み流されてしまいます。
最後は、抽象から具体への橋渡しです。電流ならば水の流れ、気圧ならば風船の膨らみに例えるように、子どもがすでに知っているものと結びつけることで、概念の理解が格段にスムーズになります。
「動かせる図版」が子どもの理解を変える
デジタル教材では、図版に動きと操作を加えることができます。温度計を操作すると気体の体積がリアルタイムで変化するコンテンツや、ボタンを押して電流の流れを目で追える教材では、子ども自身が動かしながら概念を体感できます。
大寳製版株式会社では、こうしたインタラクティブなSTEM教材コンテンツをブラウザ上で実装したサンプルを自社制作しています。キルヒホッフ第一法則のインタラクティブコンテンツでは、電流の分岐と合流をシミュレーションで確認でき、紙だけでは伝えきれない動きと因果関係を直感的に理解できる設計になっています。
操作があると、子どもは自分で試しながら学ぶことができます。動かしてみたら変わったという体験が、図版を受動的に眺めるだけでは生まれない深い理解を引き出します。
紙とデジタルで変わること、変わらないこと
紙教材とデジタル教材では、表現できる幅が異なります。しかし、変わらないことがあります。それは、伝えたい概念を先に整理してから設計を始めることです。
どんな媒体でも、伝えたい内容が曖昧なまま作り始めると、図版は複雑で読み取りにくいものになります。紙では視線の流れを紙面上で設計し、デジタルでは操作・反応・反復のサイクルを設計します。形式が変わっても、最初に問うべきことは同じです。
この図で何を理解させるかを最初に定めることが、STEM教材の図版設計の出発点です。
まとめ:設計力が教材の価値を決める
STEM教材の図版は、難しい概念を子どもに届けるための設計物です。一図一メッセージ・視線誘導・抽象から具体への橋渡し、そして媒体に合わせたインタラクションの設計の積み重ねが、子どもの「わかった!」につながります。
大寳製版株式会社は、50年以上の教材制作ノウハウを活かし、図版・図解の設計からインタラクティブなデジタルコンテンツの制作まで全て対応できます。STEM教材のビジュアル設計にお悩みの際は、ぜひご相談ください。
※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。