2026.07.28

教材の音声は合成音声とナレーション収録、どう使い分けるか。音声設計のポイントを解説

2026.07.28

デジタル教材に音声を付けたのに、聞き取りにくい・読み間違いが多いといった声が現場から返ってくることがあります。紙の原稿をそのまま読み上げさせただけでは、学習者に届く音声にはなりません。

音声は、文字が読みにくい学習者を支え、図やアニメーションの理解を後押しする働きを持ちます。合成音声を使うか、ナレーターに収録を頼むかを決める前に、その音声が学習の何を助けるのかを設計しておくことが、伝わる教材への近道です。

紙とデジタルの教材制作を50年以上手がけてきた大寳たいほう製版株式会社が、音声を組み込んだデジタル教材制作の現場で見えてきた、教材のナレーション・音声設計で押さえるポイントと、合成音声とプロのナレーションの使い分けを整理します。

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教材の音声ナレーションは学習の何を助けるのか

教材の音声は、大きく分けて読みの支援と理解の促進というふたつの役割を担います。どちらを主目的にするかで、台本の書き方も声の選び方も変わってきます。

読みが苦手な学習者を支える音声教材

音声教材とは、文字を読むことに困難がある児童生徒のために、教科書の文章を音声で聞けるようにした教材です。ディスレクシア(読み書きに困難を抱える状態)の子どもなどが、文字情報を耳から取り込めるよう配慮されています。

文部科学省が案内する音声教材の仕組みでは、音声再生機能付きの電子書籍やマルチメディアデイジーなど、複数の形式が読みの支援策として示されています。

2024年に一般社団法人教科書協会が公開した学習者用デジタル教科書ガイドブックでも、音声読み上げは拡大表示やルビ表示と並ぶアクセシビリティ機能に位置づけられています。

2026年現在、教材の音声化は特別支援だけの話ではありません。通勤・通学中に耳で復習したい社会人や、日本語を学習中の外国人にも、音声は理解を助ける入口になります。

ナレーションが図版とアニメーションの理解を後押しする

ナレーションとは、映像や画面の進行に合わせて内容を説明する音声のことで、学習者の視線を要点へ導く働きを持ちます。図版やアニメーションが動いている最中に、どこに注目すればよいかを声で補うと、理解の速さが変わってきます。

研修動画制作やeラーニングコンテンツ制作では、画面の情報量が多いほどナレーションの設計が効いてきます。文字を読ませるのではなく、耳で流れを追わせながら目で図を確認させる分担が、学習の負担を軽くします。

合成音声とプロのナレーション、教材でどう使い分けるか

教材の音声は、更新頻度と尺、専門用語の多さを基準に選ぶと判断を誤りません。頻繁に改訂する長尺の教材なら合成音声、感情や間合いで印象づけたい短い教材ならプロの収録が向いています。

合成音声(TTS)が向く教材

合成音声(TTS)とは、文章を入力すると機械が音声に変換して読み上げる技術のことで、Text-to-Speechの略です。2026年現在は基盤モデルの進化によって、以前より人の声に近い自然な読み上げができるようになりました。

合成音声が向くのは、内容を頻繁に差し替える教材や、数十分に及ぶ長尺の研修動画です。原稿を直せばすぐ音声を作り直せるため、改訂のたびに再収録する手間がかかりません。教材のデジタル化を進める初期段階で、まず合成音声で試作して学習効果を確かめる進め方もあります。

プロのナレーションが向く教材

プロのナレーターによる収録が向くのは、子ども向けで親しみやすさを出したい教材や、感情の抑揚で記憶に残したい短い映像コンテンツ制作です。人の声だからこそ伝わる温度や、聞き手を引き込む間合いは、機械の読み上げでは再現しにくい要素になります。

合成音声とプロの収録は、どちらか一方に決めきる必要はありません。全体は合成音声で作り、導入とまとめだけプロに頼むといった組み合わせで、費用と質のバランスを取る方法もあります。

伝わる音声設計で押さえる実務ポイント

音声設計でまず決めるのは台本です。紙の文章を読み上げ用に書き直し、読みの指定と間の取り方まで指示しておくと、合成音声でもプロ収録でも仕上がりが安定します。

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読み上げ用の台本に書き直す

紙の教材の文章は、目で読むことを前提に一文が長く作られています。耳で聞く音声では、一文を短く区切り、話し言葉に近づけると聞き取りやすくなります。専門用語や固有名詞には読み方をふりがなで添え、合成音声が誤読しやすい語はあらかじめ読みを指定しておきます。

箇条書きや表をそのまま読み上げると、項目の区切りが耳では伝わりません。一つ目は、次に、といったつなぎの言葉を台本側で補い、音声だけでも全体の構造をたどれるようにしておくと親切です。

読む速さと間、尺を調整する

聞き取りやすい速さは、対象者によって変わります。低学年向けや日本語学習者向けはゆっくりめに、社会人向けはやや速めに調整します。文の切れ目に間を置くと、聞き手が内容を整理する余裕が生まれます。ひとつの音声が長くなりすぎると集中が切れるため、章ごとに区切って再生できるようにしておくと学習が続きます。

平坦な読み上げが続くと、どこが要点なのか耳では判別しにくくなります。強調したい語の前後に軽く間を置き、少し声を張る指定を台本に添えておくと、聞き手の意識が自然と重要な箇所へ向きます。

字幕やキャプションと組み合わせる

クローズドキャプションとは、映像に表示・非表示を切り替えられる字幕のことで、音声と同じ内容を文字でも示す仕組みです。音を出せない教室や、耳で聞き取りにくい学習者のために、音声と字幕を併用すると学べる場面が広がります。音声だけに情報を載せず、文字でも同じ内容を追えるつくりが、教材の届く範囲を広げます。

字幕は、読み上げと表示のタイミングがずれると、かえって読みにくくなってしまいます。話す速さに合わせて字幕を区切り、一度に出す文字数を抑えると、目と耳の両方から無理なく内容を追えます。

教材の音声設計でよくある失敗

音声設計の失敗は、台本を作らずに収録へ進んだ段階で起きがちです。よく見かけるつまずきを、原因と対策の形で整理します。

紙の原稿をそのまま読ませて聞き取れない

紙面の文章を読み上げ用に直さず、そのまま音声化すると、一文が長く堅い読み上げになって耳に入ってきません。話し言葉へ書き直し、一文を短く区切る手間を惜しまないことが、聞き取りやすさを左右します。

書き直したつもりでも、黙読では気づけない読みにくさが音にすると残ってしまいます。台本を一度声に出して通し聞きし、息が続かない一文や耳に引っかかる言い回しを洗い出してから収録へ進むと、後戻りを減らせます。

専門用語や固有名詞を読み間違える

合成音声は、専門用語や人名・地名を辞書にない読みで発音してしまうことがあります。読みの指定を台本に書き込まないまま量産すると、誤読が教材全体に残ってしまいます。収録前に読みの一覧を作り、試聴して確かめる工程を挟むと防げます。

読みが合っていても、アクセントの位置がずれると別の意味に聞こえてしまいます。文脈だけでは判断しにくい同音の語は、試聴で違和感を確かめ、必要なら前後の言い回しを変えて誤解を防ぎます。

音声だけに情報を載せて字幕がない

要点となる説明を音声だけで伝えると、音を出せない環境の学習者や、聞き取りに困難のある学習者には届きません。音声と同じ内容を字幕でも示し、音を切っても学べる状態を保つことが、教材を使える人の幅を広げます。

逆に、図や画面の文字だけで説明を済ませ、音声で補わないつくりも学習者を選んでしまいます。目で追う情報と耳で聞く情報を互いに補い合わせておくと、どちらか一方が使いにくい学習者にも内容が届きます。

音声を組み込んだ教材制作は大寳製版株式会社にご相談ください

音声を組み込んだデジタル教材制作では、用意された音声を図版・アニメーションや画面の進行と同期させる工程が、仕上がりを左右します。大寳製版株式会社には、紙とCD-Rで展開していた英語教材を電子書籍化し、タップ操作で音声を再生できるようにした中学向け英語教材 楽トレSTARTを制作した実績があります。

音声を図版やアニメーション・字幕とどう組み合わせるかは、教材の目的や対象者によって変わります。音声を組み込んだデジタル教材の制作や、紙教材のデジタル化をお考えのご担当者様は、大寳製版株式会社へお気軽にご相談ください。

参考事例:

中学向け英語教材 楽トレSTART 制作実績を見る

デジタルコンテンツ / 教育

中学向け英語教材 楽トレSTART

株式会社G様

よくある質問

Q. 教材の音声は合成音声とプロのナレーション、どちらを選ぶべきですか?
A. 更新頻度と尺で判断します。頻繁に改訂する長尺の教材は合成音声、感情や親しみやすさで印象づけたい短い教材はプロ収録が向きます。全体は合成音声で作り、導入とまとめだけプロに頼む組み合わせも有効です。
Q. 合成音声(TTS)とは何ですか?
A. 合成音声(TTS)とは、文章を入力すると機械が読み上げる技術で、Text-to-Speechの略です。2026年現在は基盤モデルの進化で人の声に近い自然な読み上げができ、原稿を直せばすぐ音声を作り直せる利点があります。
Q. 音声教材とは何ですか?
A. 音声教材とは、文字を読むことに困難がある児童生徒のために、教科書の文章を音声で聞けるようにした教材です。文部科学省は、音声再生機能付きの電子書籍やマルチメディアデイジーなどの形式を読みの支援策として案内しています。
Q. 紙教材の文章をそのまま読み上げさせてもよいですか?
A. 紙の文章は目で読む前提で一文が長く、そのまま音声化すると聞き取りにくくなります。一文を短く区切り、話し言葉に近づけて読み上げ用に書き直すと、耳で内容を追いやすい音声になります。
Q. 合成音声が専門用語を読み間違えないか心配です。
A. 専門用語や人名・地名には読み方をあらかじめ指定し、収録前に読みの一覧を作って試聴で確かめます。誤読しやすい語を台本に書き込んでおけば、教材全体に読み間違いが残るのを防げます。
Q. 音声に字幕は必要ですか?
A. 音を出せない教室や、耳で聞き取りにくい学習者のために、音声と同じ内容を字幕でも示すことをおすすめします。表示・非表示を切り替えられるクローズドキャプションを併用すると、教材を使える場面が広がります。
Q. 一つの音声はどのくらいの長さにすべきですか?
A. ひとつの音声が長くなりすぎると集中が切れるため、章ごとに区切って再生できるようにします。学習者が区切りで内容を整理でき、聞き直したい箇所へ戻りやすくなります。
Q. 音声つきの教材制作はどこに相談すればよいですか?
A. 用意した音声を図版・アニメーション・字幕と組み合わせて教材に仕立てる工程は、デジタル教材制作を手がける制作会社への相談が向いています。教材制作を50年以上手がける大寳製版株式会社でも、音声を組み込んだデジタル教材制作の相談を受け付けています。

まとめ

教材の音声は、合成音声かプロかを選ぶより先に、その音声が読みの支援なのか理解の促進なのかを決めておきます。音声の役割が定まってから台本を読み上げ用に書き直し、読みの指定・間・字幕まで設計すれば、合成音声でもプロ収録でも学習者に届く音声になります。

音声とアニメーション・図版・字幕を組み合わせて教材に仕立てる制作は、工程がつながっているほど仕上がりが安定します。教材制作を50年以上続けてきた大寳製版株式会社は、音声を組み込んだデジタル教材づくりに携わってきました。教材のデジタル化や音声の組み込みでお悩みのご担当者様は、大寳製版株式会社へお気軽にお問い合わせください。

※本コラムはAIツールを補助的に活用し、内容の最終確認・編集は担当者が行っています。必要に応じて公表資料・一次情報を確認のうえ掲載しています。

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